モデル

1万5000台も生産された
ドイツ陸軍御用達モデル

1937年、BMWは1932年に発表した「R4」という単気筒モデルを改良した「R35」を発表しました。鋼板プレスフレームやシンプルなコイルスプリングだけで構成されたテレスコピック式フロントフォーク、19インチのホイールなどを持つこのモデルは、当時のBMWとしても進歩的なモデルとは言い難いものでしたが、ドイツ陸軍が好んで使ったため、なんと3年間で1万5000台以上が生産され、そのほとんどが軍用に供されました。エンジン右側のキックスターターや手動の4段変速機およびギア比などが同一であることは、R4からキャリーオーバーされた部分が多かったことを物語っています。また、このR35に搭載されたエンジンはストロークが84ミリもあり、R4と並びBMWのモーターサイクル用エンジンとしては最もロングストロークなものでした。一方、ボアはR4の78ミリに対して72ミリに縮小された結果、排気量はR4よりも58cc小さい340ccに抑えられていましたが、14馬力を発生してR4と同等の時速100kmのトップスピードを実現していました。ドイツ軍との深い関わりをもっていたBMWの歴史を物語る貴重なモデルと言えるでしょう。

spacer