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GS新時代の幕開けを告げた R1100GSは1994年春に発売され、当時はABS無しが145万円、ABS付が162万円、1997年からのABS・キャタライザー装備車が169万円という価格設定でした。発売当初は、比較の対象がそれまでのR100GSだったため、車体の大きさと重量で二の足を踏んだ方も多かったようです。それでも大型オフロード車としては比較的足付性が良かったため、ホンダのアフリカツインから乗り換えた方も多かったと記憶しています。1994年の発売時から1999年までの販売は比較的順調で、特に1998年のBMW75周年にはGSにも赤白の特別な塗装が施された記念車が発売され人気を博しました。R1200GSが発売されている今となっては先々代のモデルということで程度の良いものを探すのは容易ではありません。ただし、その分中古車価格は比較的安価で、平均的な価格は60万円台で推移しています。 広大な守備範囲を持つ
購入前から、雑誌の情報や他のオーナーさんから「疲れない」とか「乗り味がまったく違う」という評判を聞いていたのですが、本当にその通りでした。これだけの巨大なので車体はさすがに重たく感じますが、走り出すと本当に軽い。ウインドスクリーンも小振りですが良くできていて効果的に疲労を防いでくれます。荷物が沢山積めたり、ABSが搭載されていたりするのもいいですね。昔、トライアルをやっていたので、テレレバーの感触に少し戸惑いましたが、慣れれば本当に安心して走ることができます。燃費も良くて1Lで25〜26km。これはトランザルプ400Vよりもいいぐらい。自然と距離も延びて、今の走行距離は10万1000キロです。R1100GSに乗るようになってから、さらに「旅」が好きになったような気がします。今回、オイルシールが切れてクラッチ側にオイルが回ってしまうというトラブルに見舞われましたが、修理して今後も大切に乗っていくつもりです。 クラッチの磨耗などに注意 外観からは判断できない部分で特に注意しなければならない部分にクラッチの磨耗があります。通常分解して確認することは無いので判断に困る部分です。すでに滑っている場合は問題外ですが、クラッチ操作の上手下手によって磨耗の状態はまちまちです。新車時でもそれほど軽くはありませんが、クラッチプレートの磨耗と共に徐々に重くなり、最後は逆に極端に操作が軽くなって終わりとなります。使用距離数では良否が判断できないので、いろいろなR1100シリーズのレバーを握って確かめてください。ある程度はクラッチレバーを引く力加減で判断できます。なお、クラッチの交換コストはおよそ10万円程です。
低年式のモデルはGSに限らず消耗箇所が必ずあるとお考え下さい。ただし、全てが壊れているとか使用できないわけではありません。例えば、ディスクローターは新品時5ミリのものが0.5ミリ摩耗すると使用限界となります。しかし、それで交換されるオーナーはほんの僅かです。また、カムシャフトとそれに直接接するバルブのキャップも当たり面が荒れた状態でわずかに異音がしたり、バルブガイドと呼ばれる円筒形の部品が使用状況によって摩耗しすることがあります。そのような状態でもエンジンは普通に作動します。どこまで整備していくらで販売するか、いくらで販売するからどこまで整備するか、という判断はとても難しい問題です。
購入の際の注意点
1.前後ホイルのスポーク張替えは振れをとりきれないのでお勧めしません。 2.ブレーキディスクの磨耗は比較的早いのでできるだけ状態の良いものを選んでください。 3.アイドリング時のエンジン回転にばらつきがある場合はインジェクションバタフライに難あり。 4.エンジン作動時に打音がある場合はバルブキャップとカムシャフトの磨耗の可能性があります。 5.5万キロ以上の走行車の場合にはシリンダーヘッドのオーバーホールが必要な場合があります。 6.ブレーキマスターからフリュードがにじみやすく、症状が出たら早めに交換が必要です。 7.リアキャリアのグラブバー後方にトップケース使用の場合にはキャリアのひび割れに要注意。 8.ABS故障の場合は部品代だけで28万円程するので要注意。ただし、故障しても通常走行時の制動力に変化はありません。 |
![]() 山本 栄治 47歳、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。 |