VIRGIN BMW | R1150GS(1999-) BMWバイク中古車ガイド

R1150GS(1999-)

  • 掲載日/2009年12月03日【BMWバイク中古車ガイド】

R1150GSの歴史など

R1150GSの画像

GS人気の立役者的モデル
年式によって仕様違い多し

今回ご紹介するR1150GSは、初代GSのR80G/Sから数えて4代目、20年目にあたる1999年に発売となりました。日本では1999年9月が発売月となります。先代のR1100GSではABSやCATが工場オプションとして選択出来ましたが、R1150GSの日本仕様はABSとCATが標準装備化され、税別177万円にて発売開始されました。その後2000年末頃、日本だけの白色限定仕様で178万円、2001年1月にはツートーンカラーが180万円で発売されました。さらに2003年後半には前後連動サーボ付ABS仕様が181万円で登場し、2004年前半は店頭にR1150GSとR1200GSが併売されていました。R1150GSアドベンチャーは2005年まで生産されていましたので、完全に併売状態でした。

1100で勢いを増したGSは1150でも好調な売れ行きを示し、アドベンチャーを含めた総生産台数は75,951台にもなりました。R1150RTと比較してもGSのほうが2万台以上多く生産されていることからも、GS人気が本物であることがうかがい知れます。中古車でもR1150GSの人気は比較的高く、たくさんの車輌が日本でも販売されましたが、それと比較して中古車として店頭に並んでいる車輌は少なめです。初代R1150GSが発売されて10年を経過していますが、程度の良いモデルだと80万円位から値札が付き、最終仕様になると120万円台のものもまだ多く見かけます。

R1150GSの特徴

R1150GSの画像

基本構成は先代と同様
その違いは細部に見られる

R1150GSを構成する基本的な構造は先代のR1100GSとほぼ共通です。OHC空冷フラットツインエンジン、インジェクション、テレレバー・フロントサスペンション、パラレバー・リアスイングアーム、ABS、19インチフロントタイヤ等々です。ただし、構造はほとんど同じでも細部を確認すると大きく変化しており、モデルの途中でも色々と仕様変更されています。

エンジンは1100時代と比べると高出力化されただけでなく、滑らかで良く調教されたものに仕上がっています。また、より環境に配慮させたツインスパークプラグ仕様もモデル末期の2003年に発売されています。

トランスミッションはK1200RSの流れをくむ6速に変更されてシフト感覚が一気に向上し、油圧クラッチの採用もあって操作系は飛躍的に改善されています。テレレバーのフォークはR1200GSにも継承されているタイプが採用され、軽量化だけでなく見た目にも好印象なものとされています。ホイールはクロス・スポークタイプのチューブレス仕様で、シリーズを通して同じですが、モデルの途中でメッキ処理された鉄製スポークから、ステンレス製に変更されています。ただし、ニップル部分はステンレス・スポークでも鉄製が使用されています。

ABSは生産年式により違いがあります。発売から2年間はそれまでのABS2という前後連動とサーボアシストの無い仕様でしたが、2004年モデルからは前後連動サーボアシスト付インテグラル仕様に変更されています。

以上、大きなものだけ拾ってみても色々と仕様の違いがありますが、どの仕様を選んでもGSの楽しさは変わりませんので、ご安心ください。

R1150GSの画像

便利な標準装備

R.I.D.という燃料・油温・ギアー位置・時計が1つになったメーターを標準装備しています。6速の表示は“E”と表示されます。
R1150GSの画像

気にする人は気になるか…

ステンレス製になる前の、メッキ処理鉄製スポーク。リムはアルマイト処理済みなのでよほどでないと錆びません。
R1150GSの画像

環境に配慮した変更も

この画像のしゃもじ型プラグカバーがツインスパーク仕様です。シングルスパーク仕様は長方形になります。

当時のカタログを見てみよう!

豊かなパワーと信頼の耐久性
世界を旅するモーターサイクル

R1150GSの画像
R1150GSの画像

中古車選びの注意点

R1150GSの画像

使い倒された車輌は程度もそれなり
程度上モデルは価格もそれなり

もし初めてGSの購入をお考えなら、未舗装路経験が多くない車輌を選べば故障の発生は少ないと思われます。舗装路と未舗装路では車体全ての部分にかかるストレスが全く異なるからです。そして細かい部分では、スポークホイルの振れや歪み、ブレーキディスクの磨耗度合い、バッテリーの使用期間等を確認すれば「ハズレ」を引くことはないはずです。ホイールは新品でも接合部分にほんの僅かな振れがありますが、気にすることはありません。

ブレーキディスクは日本車よりも磨耗が比較的早く、使用限界が僅か-0.5mmとシビアに決められています。バッテリーはガソリンタンクの下に搭載されています。交換に慣れていないといい汗をかきますのでご注意ください。なお、バッテリーはジェルタイプが使われています。電源ソケットから充電も出来るので、交換以外で取り外すことはまず無いでしょう。

購入の際の注意点
  • ● ハンドルバーのグリップ付近はラバーマウントになっているので、タチゴケ時でも曲がることがあります。
  • ● ガソリンタンクは鉄製です。しっかりコーティングされていますが、錆びの発生に注意する必要があります。
  • ● 弱りはじめているバッテリーを使っていると、アイドリング時のエンジン回転にばらつきが発生します。
  • ● GSらしくオフロードをガンガン走った車輌の場合、メーター周辺、スイングアーム、リアキャリアの取り付けに注意が必要です。
  • ● R1150GSにはABSが二種類あります。購入時には必ず専用テスターで、その作動を正確に確認することがとても重要です。
  • ● リアシートが簡単に、かつスムーズにロックできない場合はロック機構の破損が原因です。外観からは見てもわかりません。
  • ● フロントシートとガソリンタンクの隙間が広かったり狭かったりしますが、気にする必要は全くありません。
  • ● ツインスパーク仕様の場合、エンジン燃焼室内に溜まるカーボンに注意が必要です。定期的な除去作業をお勧めします。
  • ● ツインスパーク仕様のスパークプラグは、上と下では異なるプラグを使用しているのでご注意ください。
  • ● R.I.D.メーターのギアポジション6速にアルファベットの“E”が表示されますが、エラーのEではなく“エコノミーのE”です。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

取材協力
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