VIRGIN BMW | R100Rミスティック(1994-) BMWバイク中古車ガイド

R100Rミスティック(1994-)

  • 掲載日/2009年10月28日【BMWバイク中古車ガイド】

R100Rミスティックの歴史など

R100Rミスティックの画像

スタンダードの魅力を内包する
洗練されたフォルムのネイキッド

R100R MYSTIC(ミスティック)は、1993年より生産が開始され、日本では1994年4月から販売が開始されました。すでにR1100RSが発売され、一年ほど経過していましたが、R1100RS以外のモデルはミスティック発売以降の登場となります。販売価格は先に発売されていたR100Rロードスターが120万円、R100Rスポーツが128万円、そしてミスティックも128万円でした。そしてその後に登場したR100Rクラシックも128万円。ミスティックの発売当時はすでにR1100Rの情報も流れており、台数的には大きな販売に結びつかなかったのですが、比較的手頃な価格とOHVエンジンの魅力から、少ないながらもコンスタントに売れていました。

販売終了から10年以上経過しているモデルで、販売数も多くはないので、中古車として流通しているのは少数です。中古車価格としては、50万円台から70万円ぐらいまでが大半を占め、走行距離が少なく、外装の状態や経年劣化品の状態が良い車輌が出ると希少価値分が少し上乗せされた価格になることがあります。

R100Rミスティックの特徴

R100Rミスティックの画像

ロードスターの性能そのままに
スタイリッシュなフォルムへ

ミスティックの元をたどると、近くにR100Rロードスターがあり、少し離れてR100GSが存在します。ミスティックとR100Rロードスターとは兄弟車なので多くの部分が同一か、よく似ています。ちなみにR100Rスポーツというモデルは日本限定で作られたモデルで、R100Rクラシックはロードスターの仲間として捉えられています。

先に発売されていたロードスターと、その後登場したミスティックとの異なる部分はわずかです。メーターとインジケーターデザイン、シートとサイドカバー形状、ハンドルバー、シートカウルの処理程度です。これらロードスターと異なる部分のデザインと部品生産は、“薄いフタを生産販売している日本の某メーカー”として知られています。

さて、車輌の基本的構造は先にご紹介しているR100GSやロードスターと同じです。フロントサスペンションは一般的なテレスコピック方式、リアサスペンションは初代パラレバー方式です。フロントブレーキは当時のK100RS等と同じ異径4ポットキャリパーにセミフローティングデスクをダブルで装備しています。そしてリアはGS同様ドラムブレーキのままです。

エンジンはGSそのままの60馬力仕様(キャブレターは40mm仕様)。ガソリンタンクは鉄製の容量24Lで、街中平均12km/L、郊外で18km/L程度の燃費ですから、容量的には十分すぎるくらいです。電装品で特に注意することありません。バッテリーは軽自動車並の25Aを搭載しているのが標準で、普通に使えば4年は余裕、長くて7年使い続けた強者もいるようです。

純正アクセサリーや社外部品なども多く出ています。サイドバッグ、エンジンガード、グリップヒーター、時計や電圧計、各種メッキ部品なども純正品で販売されていました。

R100Rミスティックの画像

ハイスペックなブレーキ

4ポットキャリパーとフローティングディスクのダブル仕様。
R100Rミスティックの画像

ロードスターとの違いを表す

BMWとしては思い切ったメーターデザイン。日本製とも言われる。
R100Rミスティックの画像

シンプル&ベーシックな部分

開放型バッテリーやガソリンコック、キャブレター、そしてOHVエンジン。

当時のカタログを見てみよう!

ロードスター ⇒ ミスティックへ
シティ・ユース派には見逃せない1台

R100Rミスティックの画像
R100Rミスティックの画像

中古車選びの注意点

R100Rミスティックの画像

不安箇所は主にゴム系部品
経年劣化が故障の原因に

この画像の中だけでも目視で簡単に確認できる注意点がいろいろとあります。スピードメーターケーブルのゴムブーツは劣化してしまうとケーブルとの間に隙間ができ、そこからミッション内部に水等が浸入してしまいます。スパークプラグコードはU字に曲げて、ヒビ割れていたら雨天時スパークプラグに電気を供給できなくなるので要交換。キャブレターとシリンダー間のインシュレーターもひび割れが悪化すると、そこから余計な空気を吸い込むので要交換です。アクセルやチョークケーブルは、キャブレターの調整ホルダーに入るところで被服が切れていることがよくあります。ただし、ここだけは被服の中にらせん状のインナーがありますので、外見上ヒビがあったとしても、実用上問題はありません。やっかいなのはミッションケースとスイングアームをつなぐゴムブーツです。交換するにはドライブシャフトを抜く必要がありますので、出来ればヒビ割れが無いほうがベストです。

購入の際の注意点
  • ● スピードメーターのトリップリセットノブのゴムカバーは、ちぎれて無くなる事がよくあります。
  • ● 前後ホイールのスポークとニップルはステンレス製ではないため、必ず錆びます。
  • ● リアブレーキのホイール側ドラム部分は数万キロ程度で使用限界を超えてしまいますが、まだ使えます。
  • ● タンクキャップのねじ込む部分に錆びの跡がある場合、タンク内部に錆の発生が考えられます。
  • ● セルモーター作動時に引きずるような異常な音が発生する場合は、早めのオーバーホールが必要です。
  • ● リアホイールのファイナルケースとスイングアーム間に装着される、ゴムブーツ周辺のオイルにじみに要注意。
  • ● ミスティックの場合、サイドスタンド付きエンジンガードと、サイドバッグステーはオプション装備品です。
  • ● 比較的古いモデルですが、ほぼ全ての部品が供給されていますので安心して乗り続けることができます。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

取材協力
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電話/03-3468-6841

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