BMW Motorrad F850GS/生まれ変わったミッドサイズアドベンチャー。機能と走破性はどこまで進化したのか?
- 掲載日/2019年02月08日【試乗インプレ】
- 取材協力/BMW Motorrad 文/櫻井伸樹 写真/真弓悟志
親しみやすいミドルサイズGSシリーズ/F850GS
BMW・Fシリーズの歴史は、今から26年も前の1993年までさかのぼる。BMWのアイコン的エンジンであるフラットツイン(水平対向2気筒)とは一線を画す単気筒652ccエンジンを搭載した「F650ファンデューロ」をリリースしたのが始まりだ。「ファンデューロ」とは、「ファンライド」と「エンデューロ」を掛け合わせたBMWの造語で、コンパクトな排気量とスリムなサイズ感により、初心者からベテランまで気軽にあらゆる路面を楽しめる、というコンセプトのバイクだった。
BMWはその後もこの中間排気量を成熟させ、2000年には「GS」の名を冠したF650GSが登場。さらに2008年にはエンジンを単気筒から並列2気筒へとフルモデルチェンジし、排気量も652ccから798ccへスープアップ。平均速度が上がりつつある各国の道路状況と、排出ガス規制に対応した。排気量は798㏄になりつつも従来までの親しみやすさを考慮するためか、ネーミングは「F700GS」、「F800GS」とされ、F700GSはシート高の低い19-17のキャストホイールを採用し女性や初心者にも親しみやすいキャラクターを。F800GSは21-17のスポークホイールと、前後サスペンションを伸ばすことで本格的なオフロード走行を可能にするモデルとなった。
そんな中、2014年あたりから世界的なアドベンチャーモデルブームが到来。KTM、ドゥカティ、ホンダ、スズキと各社からこぞってアドベンチャーモデルが発表され、BMWももちろんR1200GSを空油冷から空水冷へと革新的なモデルチェンジを施した。しかし中間排気量であるF-GSシリーズはモデルチェンジを受けることなく10年が過ぎようとしていた。
ライバルたちが新たな装いでリリースされていく中、ついにF-GSがヴェールを脱いだのは2017年、10月に毎年イタリアのミラノで行なわれるモーターサイクショーでのことだった。それは従来通りのパラレルツインを搭載したミドルGSだったが、エンジンからフレーム、ディメンションまですべてが異なるフルモデルチェンジだった。
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