VIRGIN BMW | BMW Motorrad K1600B(2017-)/ 暴力的ともいえるほどの圧倒的存在感を手中に収める 試乗インプレ

BMW Motorrad K1600B(2017-)/ 暴力的ともいえるほどの圧倒的存在感を手中に収める

  • 掲載日/2019年06月17日【試乗インプレ】
  • 取材協力/BMW Motorrad  取材・写真・文/小松 男

BMW Motorrad k1600b(2017-) /暴力的ともいえるほどの圧倒的存在感を手中に収めるの画像

BMW K1600B(2017-)

BMWならではのスペシャルエンジンを搭載し
独特な世界観を持ったバガーモデル

バイクの世界では水平対向2気筒エンジン、四輪車では直列6気筒エンジンを古くから、そして現在でも採用する他、創り出すエンジンの精度の高さにより、エンジン屋という異名を持つBMW。BMW Motorradの現行型K1600シリーズは、現在量産されるバイクの中で唯一インラインシックスを搭載するモデルであり、同社の技術の粋を集結したフラッグシップラインである。このエンジンは直列であるには間違いないが横置き搭載ということで、以下この項では並列6気筒と記載させていただく。

並列6気筒エンジンを備えた最初のKシリーズが登場したのは2011年の事。K1600GT/GTLという2台が発表され、日本国内へはまずK1600GTLのみが導入された。付随するイニシャルが示すように両車ともグランドツアラー的な性格が付けられたものだったが、2015年にBMW Motorradデザイン部門、カリフォルニアのBMWデザインワークス、そして世界的に有名なバイクビルダーであるローランド・サンズ・デザインらによってConcept 101という名のコンセプトモデルが発表された。それはK1600シリーズをベースにバガースタイルにカスタマイズされたものであり、それが後にK1600Bとして登場したのである。

Kシリーズ特有の威風堂々とした体躯でありながらも、ロー&ロングなシルエットを纏ったK1600Bの登場は、多くのライダーを驚かせたものだった。

BMW K1600B(2017-) 特徴

バガーでは他の追従を許さない風格と品格
さらに人の目を惹きつける不思議な魅力を持つ

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先に述べたようにK1600シリーズに搭載されるエンジンを並列6気筒と呼ぶのには、ほかにも理由が挙げられる。というのも遡ること今から36年前、1983年に登場した初代Kシリーズに搭載していたエンジンは、4気筒のシリンダーを縦に配置したものであり、直列4気筒と呼ぶにふさわしいものだった。Kシリーズが登場した背景には社会的な環境問題及び年々厳しくなる排ガス規制によって存亡の危機にあった水平対向2気筒エンジンから、BMW Motorrad存続のために開発されたといった面もあったのだが、独創的でありながら高品質を誇る初代KシリーズはBMW Motorradの新たな時代を築き上げていくことになる。

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2バルブ4気筒エンジンのK100は、4バルブ化され、その後K1100、K1200と続く、3気筒エンジンのK75シリーズは全体的なバランスが取れており、根強いファンを持っていたが惜しまれながらも姿を消した。2000年代に入るとKシリーズはエンジンレイアウトを90度変えた並列4気筒エンジンを採用することになる。そしてK1600シリーズの登場ということになるのだ。水平対向2気筒エンジンを搭載するRシリーズと比べ滑らかなエンジンフィーリングを得られるKシリーズは、上級モデルとしての役割を担っており、その中でもグランドツーリングモデルは、”安全”に”速く”、”快適”な旅を楽しめるものであり、その存在はひときわ特別なものだった。そのような出自を持つK1600Bは、歴代Kシリーズに劣らず強い個性を持ち、堂々とした風格とBMW Motorradらしい品格を兼ね備えた一台に仕上がっている。

BMW K1600B(2017-)試乗インプレッション

イニシャル“K”はKingの証
想像を超えるライディングホスピタリティ

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全長2450×全幅1000mm、そして車重350kgというK1600Bの体躯は、初めて見る者を圧倒させるだけの迫力を持っているが、実際に跨ってみるとシート高は750mmと低めに抑えられている上に、シートの前方もシェイプされており、足つき性は意外とも思えるほど良い。兄弟モデルであるK1600GTのシート高は低い方でも810mmあるので、数値からしても安心感はある。

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ライダーズシートに収まると目に入ってくるのは、タンクから前方のカウルに掛けての過剰とも言えるほどのボリューム感であり、もはや大排気量6気筒エンジンの上に乗っていることを忘れさせてくれるほど。これはK1600Bならではと言えるものだ。走行中は気にならないものの、パーキングの際の取り回し時などにはフロントタイヤが見えず気を使う場面もあったが、それも踏まえてバガーという異端なスタイルを楽しむべきである。

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エンジンを始動し走り出す。大きく車重もあるため最初こそ気を引き締めることだろうが、大型バイクに乗り慣れているライダーなら、ものの数分で普通に走らせることができるだろう。スタイリングこそカスタムバイク的な印象を受けるものであるが、中身のバランスの良さは極上と言えるもので、誰しもイージーライドを楽しめるようなパッケージとなっているのだ。

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最高出力160馬力、最大トルク175Nmを発揮する1650cc6気筒エンジンは、3000回転を超えるとモーター音ともとれるようなサウンドを発し、そこからさらにスロットルをオープンさせれば強力な加速を体感することができる。エンジンブロックそのものが前方に深く寝かせられていることによって得られている低重心も安定した走りに反映されているのだが、強烈なパワーを受け止めるためのシャシーの作り込みも抜群だ。BMW Motorrad独自のデュオレバーフロントサスペンション、そしてシャフトドライブのパラレバーはダイナミックESAとの相乗効果で路面を掴んで離さない。

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バガーらしくチョップされたショートスクリーンは左手のスイッチ操作にて上下するため、どのようなステージでも快適であるし、高速クルージングからワインディングロードまで、優雅かつスポーティな走りを楽しむことができ、このライディングフィールは極僅か存在するライバルモデルと比べても一歩抜きん出る部分だと思う。

バガーというスタイルからイメージするのは、クルーズを楽しむものであったりショーモデルのようなカスタムバイクであることが一般的だが、BMW Motorradが作り上げたK1600Bは、それらとは少々異なった存在だと乗ると分かることだろう。それは走る、曲がる、止まるの一連の基本動作の時点から入念に考えられている上に、数々の電子デバイスによって安全で快適に仕上げられているからだ。総じてBMW Motorradの底力を感じさせるものなのだが、はっきり言って公道で見かけたことは数回しかない。

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市販モデルのバガーで真っ先に頭に浮かぶのはハーレーダビッドソンのストリートグライド&ロードグライド系、もしくは現行型ホンダ・ゴールドウイングあたりであろう。セグメントの先駆者であるロードグライドはネームバリューもあり、バガースタイルを求める多くのライダーが憧れる存在である。F6Bから進化したゴールドウイングは水平対向6気筒エンジンを搭載するほかフロントサスペンションにダブルウィッシュボーン式を採用しているなどの独自性が見られる。しかしK1600Bは、その中に割って入るだけの、いや、それらとは一線を画する存在感がある。ストリートを走らせれば注目の的となり、ちょっとバイクを止めておくだけでも通行人から話しかけられる。そんな空気感こそがK1600Bを選ぶ理由だ。

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上級グレードとして大型トップケースなどを備えたK1600Bグランドアメリカもラインアップされており、どちらもバイクの世界では高価なモデルではあるが、それに見合う世界がK1600Bには感じられる。GSなどのアドベンチャーモデルとは異なる形ではあるが、これもまた地球を相手にどこまでも走り抜けたくなる、そんな一台に仕上がっているのだ。

BMW K1600B(2017-) 詳細写真

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車体の左右から後方に掛けてまっすぐに伸ばされたクローム仕上げの2本出しマフラー。エンド部の排気口は片側3口ずつ、合計で6口とされており6気筒エンジンを物語っている。

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現在量産されているバイクでは世界で唯一となる並列6気筒エンジンを搭載。僅か1500回転で最大トルクの70%を発揮し、そこから高回転域までよどみなく上昇する。他のバイクでは得られないフィーリングを持つ。

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バイク業界ではまだ珍しいアダプティブ ヘッドライトを採用。車体の傾きなどをセンシングし、コーナーの先を照射するため、夜間のワインディングなどでも安心して走ることができる。

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フロントの足まわりにはアームとサスペンションを別としたBMW Motorradのデュオレバーシステムを採用。激しい加減速や大きな加重移動を抑え、高い路面追従性能を発揮する。

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大きなフェアリング内に内蔵されたフロントウインカー。リアウインカーもパニアケース両脇に埋め込まれており、高いデザイン性を誇る仕上がりとなっている。

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日本仕様ではエンジンプロテクションバー及び、フロアボードが標準装備となっている。前方に足を投げ出したクルージングは、快適なソファに腰を下ろし旅をするが如くの気分を味わえるものだ。

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デザインパーツの一環としてまとめられたパニアケースは固定式とされいる。タイヤ交換の際はライセンスホルダーを兼ねるリアフェンダーを跳ね上げて作業を行うことになる。

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日本仕様ではシート高750mmのローシートを標準装備。ライダー、パッセンジャー共にシートヒーターを備えている。K1600GT/GTLとは異なるリアフレームが採用されテールが下げられている。

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パッセンジャー側のシートヒーターは、強、弱、切から選択ができ、スイッチはパニアケースのオープナーレバー脇に配置されているため操作性も良い。

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旅へと誘う大容量を誇るパニアケース。数泊程度の荷物なら問題なく入るが、例えばその旅がタンデムで、さらに快適さを求めるならトップケースを備えたK1600Bグランドアメリカという選択肢もある。

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左パニアケースに隠されたシートオープナーレバー。シートを開ける際にキーシリンダーを探さないように。なお右側のパニアケースにはUSBジャックが配置されている。

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シート下スペースはさほど余裕がないものの、標準装備となるETC2.0の本体が置かれるほか、シートのハイ/ロー切り替えプレートや、トルクスレンチなどが収められている。

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シャフトドライブ特有のリフトアップを軽減するパラレバー機構を備えたスイングアームに、サスペンションにはダイナミックESAを装備する。路面状況や積載量によって最適な性能を発揮する。

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K1600シリーズ共通のインストゥルメンタルパネル。速度計、回転計ともにアナログスタイルが採用されており視認性が良い。各種設定状況なども表示される。

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バガースタイルのリラックスしたライディングポジションを演出するため手前へ大きくセットバックされたチューブハンドル。絶妙なハンドル幅でUターンなども楽にこなせる。

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左側のスイッチボックス。BMW Motorradではお約束的なものとなったジョグダイヤルの他、スクリーンスイッチ、クルーズコントロール、さらにはリターン(後進)スイッチなども備わっている。

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ショートスクリーンからなる防風性問題を解決するため、電動可動機構を備えている。写真のように立てた状態であれば、ライダーが上半身に受ける走行風はほぼ皆無となる。

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