VIRGIN BMW | 【BMWモトラッド R 18 ロクテイン 試乗記】従順か獰猛か、怪物の本性を引き出せ! 試乗インプレ

【BMWモトラッド R 18 ロクテイン 試乗記】従順か獰猛か、怪物の本性を引き出せ!

  • 掲載日/2023年12月16日【試乗インプレ】
  • 取材協力・写真/BMW Motorrad 取材・写真・文/小松 男

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BMW Motorrad R 18 Roctane(2024)
BMWモトラッド史上最大の1801ccもの超巨大排気量を誇るビッグボクサーツインエンジンを搭載するR18シリーズ。迫力あるカスタムクルーザースタイルで纏められたR 18 Roctaneが新たなファミリーとして名乗りを上げた。

着実にファンを広めているR18に
満を持して登場した5番目の刺客

BMWモトラッドが世界大戦以前に造り上げた名機、R5をはじめとするクラシックモデルをモチーフとしつつ、100年にも及ぶボクサーツインの歴史において最大排気量1801ccを誇るエンジンを搭載したR18が登場したのが2020年のこと。まもなくボバースタイルのR18クラシックが続き、さらに翌年にはフルドレッサーモデルのR18BとR18トランスコンチネンタルを追加。そして2023年、R18シリーズの5番目のファミリーとなるR18ロクテインが登場した。

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ベースとなるフレームワークはR18/R18クラシック系と同様の物を採用しつつ、フロントに21インチタイヤを採用、さらにエイプハンガーバーやハードケースを備えており、総じてカスタムフリークに人気の高いスタイルで纏め上げられている。それでは、満を持して導入された待望のニューモデル、R18ロクテインの魅力と乗り味を探っていこう。

BMW Motorrad R 18 Roctane(2024) 特徴

かなりの巨漢!
しかしバランスが良くスポーティ

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BMWは、その名の由来がバイエルン・モーター・ヴェルゲ、つまり”バイエルンのエンジン工場”を意味していることは有名な話である。草創期に在籍した技師マックス・フリッツとマーチン・ストールによって開発された水平対向二気筒(ボクサーツイン)エンジンM2B15をベースに改良を加えて誕生したBMW社初となるモーターサイクルモデルがR32で、登場は1923年、つまり100年に渡り、BMWはボクサーツインエンジンを作り続けてきたことになる。その長き期間の中でも、1801ccという巨大排気量のビッグボクサーツインエンジンを搭載したのが、2020年(発表は2019年)に登場したR18から続くシリーズである。

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スタンダードモデルにあたるR18は1936年に誕生したR5をオマージュしたエッセンスを散りばめられ、そのR18をベースにフロントタイヤを16インチ化、大型スクリーンやサドルバッグなどを追加したいわゆるボバーライクに仕立てたのがR18クラシック。ハンドルマウントの大型カウルやフルドレッサー仕様の重量装備に対応するためにフレームからリセッティングされて登場したのがR18BとR18トランスコンチネンタル。そしてそれらに続いて新たに開発されたR18ロクテインが今秋日本に上陸を遂げた。

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そもそも素のR18からしてR5を現代風に解釈し蘇らせるというコンセプトの下で誕生したモデルであるのだが、R18ロクテインでは特徴的なヘッドライト内蔵メーターを新たに採用し、さらに当時のBMWの印象を強めているほか、フロント21、リア18インチというタイヤセットを用いることでカスタム色が引き立てられた。

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R18ロクテインが発表された際に、しばしば周囲にいるカスタムクルーザーフリークから色々と質問を受けたことがあり、それが私の中で注目度の高さを感じ取るきっかけとなっていた。それでは1週間試乗テストを行った感触をお伝えしてゆこう。

BMW Motorrad R 18 Roctane(2024) 試乗インプレッション

秀逸なエンジンマネジメント
トルクの塊は依存性あり

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R18シリーズはすべてに乗った経験を持つが、どれもその前に立つとデカいと思わされる。他ブランドのメガクルーザーも良くテストを行っているが、その中でも見劣りするどころかキャラクターが際立っている。そのポイントとなっているのは、車体の左右に大きく張り出したビッグボクサーツインエンジンの存在感の強さに他ならない。R18ロクテインもまた例にもれず、巨漢ぶりに圧倒されるのだが、車体に跨り引き起こそうとすると21インチという大径フロントタイヤによるアクスルシャフトの高い位置とその名のごとくハンドルにぶら下がるような恰好を強いられるエイプハンガーバーなどの関係から、さらに輪をかけて大きいバイクだと感じさせられる。

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エンジンに火を入れてブリッピングを行うと、ビッグボクサーツインエンジンを搭載するモデルならではの車体を左右に大きく震わせる強いトルクリアクションが伝わってくる。握り応えのあるクラッチレバーを操作して走り出す。パワーカーブやギアレシオなどはR18/18クラシックと同様のはずなのだが、ワイドなポジションから低速時から強烈にトルクが伝わってくる。こいつは手強そうだと、乗り出した瞬間に感じさせてくれるのは面白いバイクである証拠だ。

説明が遅くなったがエイプハンガーバーというのは、”サルがブラ下がっている”ように見えることから呼称されるようになったハンドルのことで、本格的なものだと、もっと高い位置にセットされるものもあるのだが、R18ロクテインに備わっているのは、多少抑えられたいわゆるミニエイプバータイプである。前方にセットされているためにハンドルは遠く、シートの後方に臀部をホールドするように着座すると結構な前傾姿勢を強いられる。身長180cm弱、割と体格の良い方だと自負する私であっても、ワイドなライディングポジションである。

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よって交差点などを曲がる際には、前気味に座り上体を大きく屈ませて操作しないと、外側のハンドルが手から離れてしまいそうになる。キャスターが寝ていること、21インチタイヤだということも助長している。ただフットボードがミッドコントロールにセットされていることが救いであり、あくまでステップ入力に注力し、ハンドルには手を添えるだけというイメージで接すればUターンなども余裕だ。要はこの手のモデルに対する扱い方の問題なので、慣れているライダーならそもそも気にならないだろうし、ワイドポジションのメガクルーザーが初めてというならばライディングの仕方を体得するまでしっかりと向き合って欲しい。

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クセの強い部分ばかりを先に出してしまったが、実際のところは走り出せばこっちのもの。強大なトルクを使いこなしてガンガンに攻めた走りを楽しむことができる。大振りなハンドリングは大胆かつダイナミック、優雅なクルーズもできるには違いないが、むしろハンドルの隙間に顔を突き出し、スロットルをワイドオープンにするような積極性のあるスポーツライドを行った方がR18ロクテインのキャラクターを体感することができる。

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6速トップにミッションを入れて時速100キロで走らせると2150回転前後、アイドリング時には950回転と1000回転を割る付近を指す。このエンジンマネジメントは秀逸と言える。3000回転で158Nmものトルクを引き出すので、一度スロットをひねれば振り落とされそうになる。ただこれも快感という以外には無く、テスト車両を借用した日の乗り出しこそROLL(標準)モードを使ったが、その後はフルパワーのROCKモードを楽しんだ。ライダーに伝わってくるサウンドも最高でちょっと走らせるだけでも悦楽に浸れるし、さらにその強烈なインパクトからどこに持っていっても注目の的となり街中に置けばすぐに声を掛けられる始末だ。

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高速道路、ワインディング、ストリート、どこでも楽しい。渋滞を除けば、だが……。それはこの大柄な体躯を持つモデルならばどれも同じことである。タイムパーキングなどは基本的に駐車枠に入りきらないので、出先での駐車場所こそ気になったが、リバース(後退)ミッションも装備しているので置き場所さえ見つかれば駐車も簡単。借用した1週間、ほぼ毎日乗り回した。そこから分かったのは、やはりBMWが創るエンジンは素晴らしく、しかもそれを活かしたスポーツモデルを得意とするブランドだということだ。これは四輪、二輪問わずいつも思うのだが、車両を操る気持ちよさを得られるのである。R18ロクテインに関してもまた単なるカスタムライクなバガー、クルーザーという枠組みに収められるものではないのだ。

仕事柄特権的に素晴らしい経験をいつもさせてもらっているが、本来ならオーナーにならなければこの感覚は分からないものである。1時間程度の付き合いであればR18ロクテインが備える深い懐は伝わりにくい。だから興味がある、欲しいと思ったならばディーラーでの試乗はむしろ控えていただきたい。引き寄せられる魅力に身を任せてオーナーとなり、その奥に待ち構えている特別な世界を満喫して欲しいのである。

BMW Motorrad R 18 Roctane(2024) 詳細写真

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R18シリーズに共通して採用されているボアストロークを107.1×100mmとした1801cc空油冷水平対向2気筒エンジン。最高出力91馬力を4750回転で、最大トルク158Nmを3000回転で発生させる低回転トルク型のセッティング。

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フロントに21インチタイヤを採用しているのはR18ロクテインの大きなポイントとなっている。大径タイヤによるジャイロ効果で立ちが強いが、全体的のバランスが良いためにナチュラルな操作感を得られる。キャスターも寝かし気味。

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クラシックなティアドロップスタイルとされた燃料タンクは、しっかりと両腿でホールドすることができる。容量は約16リットルと必要にして十分。リザーブ容量は約4リットル。スロットル操作に対して燃費の増減が強いので、乗り方によって走行距離は結構変わってくる。

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高く遠い位置にセットされたエイプハンガーバー。ワイドなライディングポジションに戸惑うかもしれないが、すぐに慣れて車体を手足のように操ることができるだろう。フロントウインカーもハンドルに備わっている。

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大型のヘッドライトはブラックアウトされ精悍な雰囲気。デイタイムランニングライトの中央部分にはBMWのプロペラエンブレムがあしらわれている。アダプティブ・ヘッドライト機能も標準で装備している。

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ライダーとパッセンジャー部分が一体のワンピースタイプシート。シート高は720mmと低く抑えられている。強大なトルクを受けとめるために、せり上がり部分まで腰を押し付けるとハンドルが遠くなり、おのずと前傾姿勢を強いられるが、そうすることでスポーティなライディングを楽しめる。

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深い位置まで落とし込まれたリアフェンダーにライセンスプレートホルダーを設置している。リアウインカーは左右のサドルケースに備わっているために、ケースを外した状態での公道走行は不可となる。

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BMWの伝統的なシャフトドライブ機構は、クラシックモデルをイメージしたオープンタイプ。走行時にはシャフトが回転している姿を見ることができる。力の掛かり具合を計算し、耐久性も補填している。

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バガースタイル=サイドケースを備えたモデルということで、R18ロクテインもハードシェルケースを装備している。防水かつ最大10kgの容量を誇り利便性バツグン。

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戦前から戦後にかけて生産されたクラシックモデルのように、ヘッドライト上部にメーターがセットされている。ただやはり、ライダー側に傾斜がつけられていないために、最初はメーター内のインフォメーション確認に戸惑った。

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ミッドコントロール位置にセットされたフットボード。シフトチェンジは前後を踏むシーソーペダルを採用。右側のリアブレーキバーは、操作時につま先がシリンダーにあたることが気になった。

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クルーズコントロールやグリップヒーターなどを標準で装備する。ライディングモードはROCK、ROLL、RAINの3パターンが用意されている。スイッチ類の操作性、クリック感は良い。

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物理キーを使用せずにイグニッションをオンにすることができるキーレスエントリーシステムを採用。なお、燃料タンクキャップの開閉やハンドルロックなどには物理キーを使用する。

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フレームの間にレイダウンさせてリアサスペンションをセットすることにより、リジッドフレームスタイルを演出している。リアサスペンションはシートを外すと確認でき、プリロードの調整機構が備わっている。

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リアタイヤサイズは180/55B18とされている。120/70B21サイズのフロントタイヤとのバランスが良い。マフラーは左右2本出しとされ、低音で心地良いエキゾーストノートを奏でる。

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