VIRGIN BMW | 【BMW R18B 海外試乗速報】バイクの旅を進化させるBMWモトラッド流バガーカスタム トピックス

【BMW R18B 海外試乗速報】バイクの旅を進化させるBMWモトラッド流バガーカスタム

  • 掲載日/2021年09月29日【トピックス】
  • 取材協力・写真/BMW Motorrad Japan 取材・文/河野 正士
【BMW R18B 海外試乗速報】バイクの旅を進化させるBMWモトラッド流バガーカスタムの画像

大型カウルとサイドバッグを採用
人気のバガースタイルを採用したR18B

BMW Motorrad(以下BMW)の新型車「R18B」と「R18Transcontinental(以下TC)」の国内発売が2021年9月27日よりスタート。それに先立ち、ドイツ・フランクフルトで「R18B」の国際試乗会が行われた。約260kmの試乗ルートには高速道路、ワインディング、市街地とさまざまな道路状況があり、そこで感じた「R18B」の感想などをお伝えする。

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「R18B」の“B”とは、アメリカで人気のクルーザースタイル“Bagger=バガー”の頭文字を取ったもの。フロントに大型カウルを装着し、またリアフェンダーとデザインをリンクさせた大型サイドバッグが特徴。その“バッグを持つ車両”だからバガーと名付けられている。

BMWは2020年4月に「R18」、そして2021年3月に「R18Classic」を立て続けにラインナップし、BMWのクルーザーカテゴリーを、まずはクラシック路線で構築した。この両モデルはすでに世界中で4000台以上を販売。アメリカのほか、ドイツや中国で好調なセールスを記録しているという。そのセカンドインパクトとして今年8月に発表したのが「R18B」「R18TC」だった。大型フロントカウルと大型バッグ、そしてACC(アクティブクルーズコントロール)など先進の電子制御テクノロジーをミックスしたこの2台は、BMWらしい上質なディテールを加えながらも、BMWブランドの“顔”であるツアラーともアドベンチャーとは異なる、クルーザーという新しい長距離走行のスタイルを提案するモデルだ。

「R18B」は、クルーザーカテゴリーのなかでも、背の低いスクリーンや、装飾を廃したシンプルで若々しいキャラクター、トップケースを取り払ったことによって得た美しいボディライン、それらを総合して生まれた軽快なスタイルとパフォーマンスで人気の「バガー」と呼ばれるカテゴリーに属する。

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ボリュームのあるフロント周り、グラマラスなタンク&エンジン周り、流麗なラインを造り上げるリアフェンダーとサイドカバー。それとは対照的に、シリンダーから伸びる排気管は車体の低い位置で真っ直ぐに伸びている。それらのコンビネーションによって、ロー&ロングなスタイルが構築されている。

その象徴的なフロントカウルとサイドバッグを装着するにあたり、フレームのメイン部材を変更。フレーム剛性を大幅に高めている。またステアリングヘッドアングルとともに、フロントフォークの装着方法を変更するなどして、フロント周りのアライメントを調整。さらにはアルミキャストホイールを装着するなどして、低速走行時のハンドルの切れ込みやハンドル操作の重さを解消するとともに、ワインディングでの軽快なハンドリングと高速走行時の走行安定性を高次元でバランスさせている。

それによってワインディングでは、低回転域で大きなトルクが発生するR18系共通のビッグボクサーエンジンの特性を活かし、アクセル操作とわずかな体重移動だけで軽々と車体を切り返しながら、コーナーをクリアしていくことができる。この軽々とした印象は、高速道路のレーンチェンジや街中の入り組んだ路地などでも変わらず、クルーザーに乗っていることを忘れてしまいそうだった。その軽快なハンドリングこそがBMWが造るクルーザーなんだ、と開発者たちはいう。

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そのスタイルから、コーナーではすぐにステップが路面に接地してしまうが、そこまでの車体の倒し込みは非常に軽く、車体の反応や旋回も非常に自然だ。トルクフルなエンジン特性を活かし、この状態からライダーのわずかな入力とアクセル操作によって、車体を軽々と切り返すことができる。

また先進の電子制御技術も「R18B」との相性が良い。今回は260km程度だったが、クルーザーのオーナーたちは、より長い距離をガンガン走る。そのとき前車との距離を維持しながら自動的に加減速するACCは、ライダーの負荷をさらに軽くし、さらなる長距離走行が可能になるだろう。これはライダーが何もしなくていいというわけではなく、システムとライダーがダブルチェックで走行状況を判断できることで安全性や快適性が高まるのである。また速度と車間距離、前車の有無、コーナーでの減速具合など、システムの習熟が進めば、高速道路以外でもACCのメリットを行かせる場所が多くなるだろう。そうすれば、「R18B」での旅は、さらに進化するはずだ。バイク旅好きのライダーには、ぜひそのポテンシャルを試して頂きたい。

BMW R18B 詳細写真

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軽快なハンドリングを持ちながら、直進安定性にも優れている。今回の試乗コースにはアウトバーンも組み込まれていて、日本よりもずっと速い最高速で巡航したり、レーンチェンジを行ったりしたが、そこでの安定感も高い。

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スタンドから車体を起こすときにはその重さを感じるが、走り始めるとすぐにそれは解消される。極低速の走行が続く街中でも、この大型カウルが装着されているとは思えないほど軽く自然なハンドル操作が可能。交差点などの速度が低く、ハンドル切れ角が大きな曲がり角でもそれは変わらない。

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R18BおよびR18Transcontinentalに採用されているフレームのスケッチ画。ステアリングヘッドから伸びるフレーム上部が、鋼管材から板金成型材に変更。大幅に剛性を高めている。またステアリングヘッド位置を前に伸ばし、ヘッドアングルも立てられている。

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LEDヘッドライトシステムには、デイタイムライディングライトやコーナーリングライトも組み込まれている。またヘッドライト上のメッキカバーの中央にはACC(アクティブクルーズコントロール)用のレーダーセンサーがセットされている。

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フロントカウル内側には10.25インチのカラーTFTディスプレイをセット。さまざまなインフォメーションを表示するほか、車両の各種セッティングも行うことができる。またその上部には燃料計/スピード計/エンジン回転計/パワーリザーブメーターを4連で装備している。

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前後ホイールはアルミキャスト製。フロント19インチ/リア16インチである。フロントフォークは、ステアリングヘッドよりも車体後方に配置するネガティブオフセットを採用。キャスター角を立て、トレールを長く取ることで、軽快なハンドリングと高い直進安定性という、相反する要素を両立する。

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エンジンはR18系共通の排気量1801ccのビッグボクサー。ROCK/ROLL/RAINの3つライディングモードと、それぞれの出力特性も共通。しかし「R18B」では、車重が重くなったことで出力の角が取れ、マイルドなフィーリングになっている。燃料タンクは24リットルに拡大。タンクのラインも美しい。

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サイドバッグは、左右ともに容量27リットル。やみくもに容量を稼ぐことはせず、内装を造り込むことで防水性を高めている。ロックが解除されていれば2アクションで上蓋が開けられるように設計されている。この角度から見ると、リアフェンダーとサイドバッグが、美しくシンクロしているのがよくわかる。

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日本仕様は、シート高720mmのシートヒーター付スタンダードシートが標準装備される。シートフォームも厳選されていて、座り心地は非常にいい。リアフェンダーに沿った美しいラインも特徴だ。シート表皮を変更したカスタムシートや、シート高740mmのハイシートもオプションでラインナップ。

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燃料タンク上の蓋つきスマートフォン収納コンパートメント。専用アプリで車体とスマホを接続して走ることができる。コンパートメントには充電ケーブルを装備し、空気を循環させているためコンパートメント内の熱ごもりを解消している。

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ライダーは身長170cmの平均的な日本人成人男性の体型。ライディング時の膝は直角よりもやや緩やかで、ハンドルも自然な位置にある。停車時は、両足のカカトをしっかりと路面に着けることができる。

試乗ライダー プロフィール
河野 正士
二輪専門誌の編集に携わった後、フリーランスとして活動。二輪専門誌や一般誌でバイク関連の記事を寄稿するほか、近年はWEB媒体でのコンテンツ制作も行う。オンロードからオフロード、カスタムからライディングギアまでバイクに対する興味が尽きず、奔走する日々が続く。
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