K100LT(1986-)
- 掲載日/2010年02月25日【年式別モデルカタログ】
- ※表記はメーカー発表の年です

K100LT(1986-)
ツーリングの快適性をさらに追求した
ラグジュアリー・ツアラーの祖
1986年に登場したK100LTは、K100RSをフルフェアリングとし、ツーリング性能に特化させたK100RT(1984年) をさらにラグジュアリー・ツアラー・ヴァージョンとして派生させた世界初のラグジュアリー・ツアラー。長距離走行時におけるさらなる居住性と快適性を求め、 当時としてはK100RTのグレードアップ仕様という位置づけで、性能面での変更は無く、装備をより充実させている。パッセンジャーまで考慮した、ウィンドプロテクション効果の高い大型スクリーン、背もたれがついたトップケース、デュアルシートのほか、振動を手に伝えないフォームラバー製のグリップ、さらにグリップヒーター、ステレオに対応したアンテナとスピーカーの装備、また収納可能な積載容量は当時最大を誇り、左右インテグラルケース(専用パニアケース)はそれぞれ35L、トップケースには20L、さらにシートカウルには9Lのコンパートメントも備え、合計99Lもの収納が可能。リアサスペンションにはフル積載時にも車高を一定にキープする自動車制御装置、ボーゲ製ニボマットのガスショックユニットが装着され、高速巡航や最大積載時(2人+荷物)など、いかなる使用状況でも安定した走行を約束する。1人ではなく2人で、しかも荷物満載状態で長距離を快適に移動するための手段として、K-LTはその後もBMW Motorradの重要なポジションを担うこととなり、後にエンジンが2バルブから4バルブ、排気量100から1100、1200へと拡大しながら、価格も装備もトップエンドなモデルへと進化してゆく。
価格・スペック
最新の車両情報に関してはメーカー公式サイトをご確認ください。
- 発売時価格(税抜き)
- 174万円207万円(ABS装備車両)
- 生産期間
- 1986~1991年
- エンジン形式
- 4ストローク水平直列4気筒
- バルブ
- 1気筒2バルブ
- 総排気量
- 987cc
- ボア×ストローク
- 67×70mm
- 最高出力
- 90ps / 8,000rpm
- 最大トルク
- 86Nm / 6,000rpm
- 圧縮比
- 10.2 : 1
- 冷却方式
- 水冷
- バルブ駆動
- DOHCカムチェーン駆動
- 気化器
- 電子制御式燃料噴射(LE-ジェトロニック)燃料カットオフ機能付
- クラッチ
- 機械式・乾式単板
- ミッション
- 5速
- ギアレシオ
- 4.50 / 2.96 / 2.30 / 1.88 / 1.61
- ファイナルレシオ
- 2.91 : 1
- 点火方式
- LE-ジェトロニック
- オルタネータ
- 460W
- バッテリー
- 12V-25Ah
- 全長×全幅×全高
- 2,220×920×1,155mm
- ホイールベース
- 1,516mm(空車時)
- シート高
- 810 / 760mm(空車時)
- 燃料タンク容量
- 22L
- 車両重量
- 283kg(満タン、走行可能状態)
- 最高速度
- 215km/h以上
- 燃費(90km/h定速走行時)
- 22.7km/L
- 燃費(110km/h定速走行時)
- 18.5km/L
- 燃料
- 無鉛プレミアムガソリン
- フレーム
- 高剛性軽量スチール製チューブ・フレームエンジンブロックをフレームの一部として使用
- フロントサスペンション
- テレスコピック・フォーク
- フロントホイールトラベル
- 185mm
- リアサスペンション
- BMWモノレバー(モノショック)シングルスイングアーム
- リアホイールトラベル
- 114mm
- 駆動方式
- シャフトドライブ
- フロントブレーキ
- ダブルディスク (285mm)2ピストンキャリパ
- リアブレーキ
- シングルディスク(285mm)2ピストンキャリパ
- ブレーキパッド
- 全天候型セミメタルパッド
- ホイール
- H型断面Y字スポークアルミ製軽量キャストホイール
- フロントホイール
- 2.50-18
- リアホイール
- 2.75-17
- タイヤ
- チューブレス
- フロントタイヤ
- 100/90 V18
- リアタイヤ
- 130/90 V17
Kヒャク2バルブ
1983年に登場したBMW Motorradの新たなシリーズ『K』 に搭載される、水冷4サイクルDOHC2バルブ水平直列縦置き4気筒エンジン。この排気量987ccの新開発エンジン・ユニットは、水平対向2気筒エンジン同様、他のどのモーターサイクルとも類似しないユニークな構造となっており、まずクランクシャフトは前後方向に置かれ、水平に寝かされた直列する4つのシリンダーもまた前後に並ぶ。したがってライダーが跨った際左足側にシリンダヘッド、右足側にクランクケースが配置される。出力はヘリカル・プライマリー・ギアを介してクランクシャフトからダイレクトにアウトプットシャフトへ伝わり、乾式単板クラッチからギアボックスを伝ってドライブシャフトを回転させ、後輪へと伝達。論理的にパワーロスの無いダイレクトな出力伝達を実現するこの『BMWコンパクト・ドライブ・システム』は特許登録されており、BMW Motorradの優れたエンジン・ユニットとして、その後のKシリーズにも継承されることとなる。最高出力90hp/8,000rpm、最大トルク80Nm/6,000を発揮し、非常に広範囲に渡る性能曲線は低回転時から高いトルクを発揮しつつ、エンジンそのものの軽量化と車体におけるマスの集中化、低重心を実現。さらにメンテナンス面においても合理的な設計となっており、車体から取り外すことなくエンジン全てのメンテナンス作業が可能。ボクサー・エンジンの限界を越えるために開発されたこの新型エンジン・ユニットによって、Rシリーズと並行してKシリーズという新たな高性能モーターサイクルの創出に成功した。
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