VIRGIN BMW | R1150RT(2001-) BMWバイク中古車ガイド

R1150RT(2001-)

  • 掲載日/2010年03月01日【BMWバイク中古車ガイド】

R1150RTの歴史など

R1150RTの画像

排気量アップと最新装備で
さらに進化した R1150RT

R1100シリーズの成功により、新たな時代を築き上げたBMWがさらに進化すべく登場させたのがR1150シリーズです。1999年発売の R1150GS を皮切りに、R1100S を除く全ての R1100 が R1150 へと世代交代しています。

R1150RT は2001年に発売となります。発売時の価格は税別199万円、そして画像の車両(ツインスパーク仕様)は2004年からのモデルで、グリップヒーター等が装備されて203万円、最終モデルとして登場した、グラファイトカラーのパーシャリーインテグラルABS仕様、トップケースも標準装備されたモデルが税別204万円でした。

スタイルは R1100RT のデザインを踏襲したものでしたが、排気量アップされたエンジン、ヘッドライトや前後ホイールの形状変更、6速トランスミッション、前後連動サーボ機能付きフルインテグラルABS等が大きな変更点となります。

比較的新しいモデルのため、状態の良い中古車が多く流通しています。価格は年式、程度、地域によって差がありますが、90万円から130万円ほどでBMW認定中古車の中から選ぶことが出来ると思います。

R1150RTの特徴

R1150RTの画像

スポーツ性、快適性、安全性
あらゆる面で性能アップが見られる

R1150シリーズの中で、ワイルドにツーリングするならば GS、スマートに楽しむのであればこの RT が最良の選択となります。ただし、それと引き換えに装備重量で280kgの重さを受け入れなければならないことも事実です。ところが、実際には280kgもの重量を感じさせない出来の良さがこのモデルにはあります。ロングツアラーに求められる、走行時の快適性を得るために車体は比較的大きく造られていますが、それでも押し引きの際に感じる取り回しの印象は、まるで一クラス小型のモデルのようです。

走行時には、常用するエンジン回転域で90%ほどのトルクが発揮されているため「遅い」なんていう感じはまったくありません。たとえ25L容量のガソリンタンクが満タンであっても同じです。さすがに満タン時ではメインスタンドをかける際に少し重い感じはありますが、メインスタンド専用のレバーが装備されているので、どなたでも難無く上げることが出来るはずです。

前後サスペンションはフェアリングによってほぼ隠されていますが、フロントは剛性が高く、よく動くテレレバー、リアはシャフトドライブのパラレバーです。テレレバーは制動時の前下がりを抑止するだけでなく、前後連動ブレーキの効果が加わり制動時の安定性を飛躍的に高めています。パラレバーはシャフトドライブ車特有の挙動を無くし、シャフトドライブ車の良さ(整備や清掃のし易さ)に貢献しています。

ブレーキはフルインテグラルABSという仕様です。レバー/ペダルいずれかを操作しても前後のブレーキが最適に働くというものです。さらにサーボアシストにより、小さな操作でたくさん効くという、多少お節介な機能も備わっています。ベテランになればなるほどサーボアシストは不要な機能と言われていますが、作動音がもう少し静かであれば、重量車に有用な装備でもあります。

細かい装備を確認すると、サイドバック、三段階高さ調整式シート、電動スクリーン、アンテナ&スピーカー、調整式ブレーキ・クラッチレバー、電源ソケット、ヘッドライト調整ノブ、物入れとして利用可能なステレオ収納ボックス、一体式補助ライト、リアキャリア等が装備されています。グリップヒーターとジャンプスタート端子は2004年モデル以降の車両に標準装備されています。

R1150RTの画像

BMWらしい装備

センタースタンド掛け用ハンドルと電源ソケットが全車に装備されています。
R1150RTの画像

メーターパネル

格子部分にスピーカーが内臓され、カウル左側にステレオ収納ボックスがあります。
R1150RTの画像

走行時の高い視認性

ヘッドライト一体式補助ライトはレンズ左右端に配置。スイッチはメーター左横に付きます。

当時のカタログを見てみよう!

鈍重さを感じさせないスポーティで軽快な走り
ロングツアラーとして最高のスペックを誇る

R1150RTの画像
R1150RTの画像

中古車選びの注意点

R1150RTの画像

フルフェアリング・モデルの泣き所
スクリーンとエキゾーストパイプ

中古車販売時に困る部分がエキゾーストパイプの汚れと腐食です。エンジン本体、フェアリング、そして前輪に囲まれ、車体最下部にあって前輪で巻き上げた色々なものが付着し、焼かれています。BMWのエキゾーストパイプは多くの日本車のように二重構造ではなく一重のため、エンジン稼働中に暗いところで見ると、赤く焼けたパイプが明るくなっていることがあるほどです。そんな過酷な条件にある部品なので、ステンレス製と言っても汚れや腐食が進んでしまいます。腐食によって穴が開いたということは聞いたことがありませんが、この部分が比較的きれいな車両は、よほど大切にされていたと考えても良いでしょう。この部分だけで判断することはできませんが、一つの判断材料にはなると思います。当然販売店側もきれいに磨きますが、新車時の状態には絶対に戻せません。

R1150RTの画像

BMWの中でいくつかのモデルには表面処理が施されているスクリーンが使われています。R1150RS に使用されているスクリーンは表面処理が施されていませんが、RT には処理が施されています。新しいうちはこの画像のように曇ることはないのですが、手入れを間違えるとこのようなスゴイことになってしまいます。スクリーンは基本的に水だけ、もしくは中性洗剤(食器洗い用洗剤)を使用します。きれいにするケミカル、コーティング剤やキズ落とし用の研磨剤などを使うと、その時はきれいになっても、月または年の単位で確実にこの画像のようになります。逆に何もしないままでいると、薄っすら白濁し始めますので、スクリーン清掃の基本、柔らかい布、水、中性洗剤で撫でるように掃除してください。ちなみにこの画像のようになったら、修行のごとく、少しずつ爪を使って白濁部分を削り落とすしか方法はありません。

購入の際の注意点
  • ● 前後連動ブレーキ装備車のため、リアディスクローターの磨耗具合に注意する。
  • ● 前後ホイールは曲がっても割れないように柔らかく造られているので、特に前輪の歪みに注意する。
  • ● ブレーキパッド交換からABSユニット診断の作業は専用テスターのある BMW Motorrad ディーラーで行うべき安全上重要な作業です。
  • ● バッテリーはカウルとタンクに囲まれて簡単には取り出せないため、車輌購入時はバッテリーの状態を確認する。
  • ● 乾式クラッチを使っているため、過度な半クラッチの多用は早期の異常磨耗につながり10万円ほどの出費となります。
  • ● R1150シリーズの中でも、ツインスパーク仕様はエンジン内にカーボンが堆積し易いモデルなので、たまにカーボン除去を実施する。
  • ● 左右ミラーボディーの取り付けは、はめ込み式のため爪の状態により取り付けが緩くなることがあるので触って確認する。
  • ● エキゾーストパイプ付近のカウルが熱で焦げていることがありますので、よく見ておいて損はありません。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

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