VIRGIN BMW | BMWバイク プロに聞く購入ガイド G650Xシリーズ トピックス

BMWバイク プロに聞く購入ガイド G650Xシリーズ

  • 掲載日/2008年01月15日【トピックス】
  • 講師/ヤナセモトラッド芝浦 吉岡 徹恭氏
G650Xチャレンジ&G650Xカントリー&G650Xモト(2007-)の画像

2007年4月にラインナップに加わったR、K、Fに次ぐ新しいシリーズ。これまでのBMWとは一線を画したキャラクターを持つ。ピュアオフロード、モタード、その中間と、3種類のラインナップを用意され、新たなBMWのカテゴリを創出している。

GはF650の兄弟ではありません
まったく新しいコンセプトのモデルです

2007年4月、G650Xシリーズ(以下、Gシリーズ)の日本での販売がスタートしました。従来のR,K,Fシリーズとは別にGという新しい名を冠したこのシリーズ、従来のモデルとはコンセプトがまったく違っています。単気筒F650シリーズのエンジンをベースにしているものの、フレームはまったくの新設計、これまでのBMWにない特徴に溢れているモデルです。軽量、スリム、方向性がハッキリしている、など明確なコンセプトで開発されたニューモデルと言えるでしょう。

これまでのBMWではオフ寄りのモデルというと、“GS”など「ONもOFFも走ることができる」デュアルパーパスモデルが中心でした。しかし、Gシリーズのベースとなる「G650Xchallenge」はピュアオフローダーと言っていいほど思い切った仕様となっています。「G650Xchallenge(以下、Xchallenge)」をベースとして、想定される走行シーンによって「G650Xcountry(以下、Xcountry)」、「G650Xmoto(以下、Xmoto)」とキャラクターの違う2モデルもXchallengeとともにラインナップに登場し、オンロードを中心に楽しみたいユーザーも満足できるモデルが揃いました。それではGシリーズがどのような特徴を持ち、3モデルがどのような違いを持つのか、ご紹介いたしましょう。

キャラクターが明確に違う
Gシリーズの3モデル

G650Xチャレンジ&G650Xカントリー&G650Xモト(2007-)の画像
G650Xchallenge
G650Xチャレンジ&G650Xカントリー&G650Xモト(2007-)の画像
G650Xcountry
G650Xチャレンジ&G650Xカントリー&G650Xモト(2007-)の画像

G650Xmoto

GシリーズのエンジンはF650シリーズとほぼ共通のモノが使用されています。ただし、各部に改良が加えられており、最高出力が50ps→53psになるなどエンジンフィーリングは異なっています。また車両重量はF650GSが201kgに対し、Gシリーズは156kg~160kgと40kg以上も軽量です。この重量の差は大きく、従来の単気筒Fシリーズと似たモノをイメージする人は軽快なハンドリング、スポーツ性の高さに驚かれることでしょう。F650シリーズとGシリーズは、乗り比べて見ればわかりますが、同じエンジンを持つ兄弟モデルではありません。長い実績があり、バランスがいい単気筒エンジンを搭載ているものの、まったく新しいシリーズだと思ってください。

では3モデルの違いを挙げていきましょう。一見してすぐに気づくのはヘッドライト形状の違い、ホイールサイズ。他にはXcountryのみタンデムシートを採用、残りの2モデルはソロシートということでしょうか。次に誰もが気になるシート高ですが、Xcountry は870mm、Xmotoが 920mm、Xchallengeは930mmと、一部のモデルを除けば他のどのBMWよりもシート高は高く、誰にでも乗れるモデルではありません。Gシリーズではもっともシート高が低いXcountryですらR1200GS以上のシート高なのです。ただし、これはメーカーもわかった上で開発したこと。従来のBMWにはなかったキャラクターをGシリーズに付与するためにはこのシート高は必要な要素だったのです。その他の違いでは、XmotoとXchallengeはサスペンションのプリロードや減衰圧が可能になっていること、サスペンション長がそれぞれのモデルで違う、XchallengeにのみHP2 Enduroと同じエアサスが採用されている、などの特徴があります。ブレーキは3モデルともにフロントはシングルディスクを採用していますが、ローター形状はそれぞれに違っています。Xmotoのみ、ハイグリップタイヤを履かせているため他モデルが300mmのローター径のところを320mmのモノを採用し、制動力が強化されました。

走りを変えるホイールサイズ
バランスがいいのはXcountry

さて、Gシリーズの3モデルの大きな違いである前後ホイールサイズについてみていきましょうか。Xcountry はフロント19・リア17インチ、Xmotoは前後17インチ、Xchallengeがフロント21・リア18インチと、それぞれに特徴的なホイールを採用しています。他メーカーのオフロードマシンだとXchallengeのようなピュアオフロードモデル、そのホイール径をXmotoのような17インチに変更し公道での面白さを追求したモタードモデルの2パターンのみ用意するのが定番です。しかし、BMWは両車の特徴を併せ持つXcountryのようなバランスの取れたモデルも開発しました。こういったところに目をつけるのはBMWらしいと言えるでしょう。話を元に戻しますと、先ほど簡単に説明したサスペンションの違いと、ホイールサイズの違いが3モデルのキャラクターを明確に違うものにしているのです。XchallengeとXmotoは、オフロード・オンロードと最適な走行シーンが明確に打ち出されており、楽しみ方が非常にわかりやすいモデルとなっています。もちろん相反する道を走れないわけではありません。キャラクターがハッキリとしているため、適した道でもっとも活きてくる、ということです。「オンロードをメインに、たまには林道も」という人はXcountryだとバランスよく楽しめるでしょう。

G650Xチャレンジ&G650Xカントリー&G650Xモト(2007-)の画像
G650Xchallenge
G650Xチャレンジ&G650Xカントリー&G650Xモト(2007-)の画像
G650Xcountry
G650Xチャレンジ&G650Xカントリー&G650Xモト(2007-)の画像

G650Xmoto

RやKとは一味違う
Gならではのオプション装備

Gシリーズは他のシリーズとは違い、ツーリングの快適性など従来のBMWには備えられていた特性は意図的に与えられていません。そのため、他モデルでは用意されているパニアケースなどのオプション装備はないのです。ただし、車高の高さの悩みを解決するため、XmotoとXchallengeにはローシートが用意されています。ローシートを選べばXmotoは920mm→880mmに Xchallengeは930mm→910mmにすることが可能です。Xcountryのシートが流用できそうに思えるかもしれませんが、リアフェンダー形状の違いからシートだけを流用することはできませんので、ご注意ください。その他オプション装備ではオフロードバイクでは定番のハンドガード、ハンドガードプロテクター、荷物の積載を容易にするラゲッジグリッド・防水性のリアバッグ。フォークやスイングアームを汚れから守るフロントフォークスライダー、リアスイングアームスライダー、エンジンを汚れから守るアルミニウム製ガードなど、他モデルにはないGシリーズならではのオプション装備が用意されています。

講師
吉岡 徹恭
はじめまして。「ヤナセモトラッド芝浦」の吉岡 徹恭と申します。この度G650Xシリーズのご紹介を担当させていただくことになりました。まったく新しいコンセプトで開発されたGシリーズ、従来のシリーズにはない新しいBMWを持つGシリーズの魅力を簡単にご紹介いたします。
ピックアップ情報