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34年ぶりの単気筒モデル 単気筒モデルとしてはR27以来37年ぶり、650cc単気筒モデルとしてはBMW初の市販車がF650ファンデューロでした。ファンデューロという名称は「ファンライド」と「エンデューロ」をもとにした造語で、F650のシリーズ名「F」とは関係ありません。このモデルが発売されたのは1994年6月。価格は、発売当初が79万円、1998年のマイナーチェンジ後は84万円でした。日本市場にデビューしたての頃は、そのやや特殊な成り立ちゆえ、既存BMWオーナーからは少々冷めた目で見られていたようです。また、当時はまだ大型免許を取るのも一苦労という時代でしたので、売れ行きも「飛ぶように・・・」というほどではありませんでした。しかし、「まわすとパワフルでスポーティー」というヨーロッパ的な味わいを持つ単気筒エンジンは着実にファンを獲得。最終的にはオフロードユーザーだけではなく、純粋なオンロード指向のユーザーからも高い評価を受けました。ビモータやその他のアッセンブルメーカーも好んでこのエンジンを使用したという実績からも、その実力の高さが窺い知れます。国内で販売された台数から言っても、ファンデューロは初期モデル・98年以降モデル共に入手しやすいとは言えません。しかし、程度を気にしなければ個人売買やオークションなどで、車検費用+α程度の金額で入手可能な場合もあるようです。販売店に並ぶ中古車価格もおおむね25万〜45万円程度です。 3カ国3メーカーの合作バイク
さて、F650ファンデューロの走りですが、郊外をマイペースで流す時の気持ち良さは絶品です。その一方で、市街地走行では多少の我慢を強いられる場合があります。ギア比の関係で、50km/h前後のスピードで走る時に2速と3速を往復することが多く、ちょっとイライラさせられるのです。これさえ我慢できれば、このモデルは誰でも楽しく乗りこなせます。なお、ローダウンキット装着車は多少クセのあるハンドリングです。このキットはサイドバッグやグリップヒーター等といっしょに純正オプションとして販売されていましたが、少々注意が必要かもしれません。
燃費は通勤だとリッター20kmぐらいですから特別良いわけではありませんが、タイヤもリーズナブルな銘柄を履けますし、メンテナンスも含めて維持コストが低いのも魅力です。小ぶりなウインドスクリーンも必要にして十分という感じで、毎日乗っても疲れを感じません。高速道路を使ったツーリングなどではややパワー不足ですが、いつかファンデューロで北海道をのんびりとツーリングしてみたいですね。きっとそういう使い方も似合うと思います。ガタが出ると厄介なスイングアームのピボットだけは適宜点検が必要ですが、それを除けばとても丈夫な良いバイクだと思います。 イグニッションコントロールと
F650ファンデューロはとても丈夫な車輌です。ただし、比較的安価なモデルであり、大切に扱いたくなる重厚感やオーラがやや乏しく、ほぼノーメンテナンスで乗り続けられることが多いようです。それでも普通に走ってしまうので、外車の中でも丈夫なモデルと言われるようになりました。裏を返せば、消耗品の状態をチェックすればその車輌の素性を見抜くことができます。特に、前後ブレーキディスクやブレーキパッド、ドライブチェーンとスプロケットの摩耗状態が重要です。そして、前後ブレーキのマスターシリンダー、フロントフォークシールににじみがなければほぼ合格という感じです。 購入の際の注意点
1.エンジンの始動性が良好な車輌を選ぶことが一番大切です。 2.ハンドルバーはブリッジが付いているものの歪みやすいのでよく要確認。 3.比較的安価に販売されている車輌なので消耗品の状態に注意。 4.転倒時あたりどころが悪いとラジエターが歪むことがあります。覗き込んで四隅を要確認。 5.ハンドルスイッチの位置決め部分が折れやすいので要確認。 6.シートの表皮は経年変化で変色・硬化してしまいます。そうなってしまったら早めに張り替えましょう。 7F650CS/GSと同じようにエンジン左側の冷却水用ポンプ周辺からの水や油の漏れに注意。 8.ガソリンコックのレバーが固すぎて指で回せない場合もあるので要確認。 9.純正ローダウン仕様車はややクセのある走行感覚なので、足つきに心配が無ければ標準車が◎。 |
![]() 山本 栄治 47歳、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。 |