VIRGIN BMW | BMW Motorrad F750GS(2018 -)/すべてのライダーに薦めたくなるオールラウンドプレーヤー 試乗インプレ

BMW Motorrad F750GS(2018 -)/すべてのライダーに薦めたくなるオールラウンドプレーヤー

  • 掲載日/2019年05月15日【試乗インプレ】
  • 取材協力/BMW Motorrad  取材・写真・文/小松 男

BMW F750GS(2018 -) 特徴

R-GSとは似て非なる扱いやすさ
バイク史に残すべき懐の深さ

BMW Motorrad F750GS(2018 -) /すべてのライダーに薦めたくなるオールラウンドプレーヤーの画像

現行ラインアップにおいてGSモデルはボクサーエンジンを搭載したR-GS、ここで紹介するF-GS、そして普通自動二輪免許でも乗ることができる310ccシングルエンジンを搭載するG-GSと、大きく3系統に分けることができる。BMWモトラッドのひとつの王道とも言えるボクサーツインのR-GSは憧れの存在ともされているが、この20年ほどの間にその性能は飛躍的に向上し、電子制御の塊となった。

最新のR-GSは最良のGSであることには変わりはないが、ライダーの進化を超えてしまった感は否めない。ボトムエントリーモデルとして登場したG-GSはコンパクトなボディにGSの世界観が凝縮されてはいるものの、大型免許保持者としては物足りなさが残る。そうなるとF-GSの選択肢が上がってくることになる。

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先述したようにF750GSはベーシックなキャラクター付けがされている。19インチのフロントタイヤ、17インチのリアタイヤがもたらす操舵性は非常にニュートラルなものであるうえに、ハードなものでなければ、林道などのオフロード走行も結構こなすことができる。これはシングルエンジン時代のF-GSから続くもので、だからこそ根強いファンが多いと言えよう。

最新のF750GSはすべてにおいて新設計とされたフルチェンジモデルだが、その中でも注目すべきポイントと言えばなんと言っても排気量を853ccとした新型パラレルツインエンジンにおいて爆発間隔が変更されたことだろう。従来のF700GSが360度等間隔爆発だったのに対し、F750GSでは270度不等間隔爆発とされた。しかもジャイロ効果を狙った逆回転としていることも面白い。

新型エンジンはツインエンジン特有の鼓動感が助長されたことに関しては好みの違いなどあるかもしれないが、私は低回転域での力強さが向上しストップ&ゴーが繰り返される市街地や、低速域でのトラクションが求められるオフロードなどでさらに扱いやすくなったと思えた。低重心を誇るボクサーツインに比べ腰高な印象となりがちなパラレルツインエンジンだが、今回の新型エンジンによってそれを上手に打ち消すことができている。

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今回のモデルチェンジではフレームも変更され、それとともにFシリーズのアイデンティティでもあったシート下の燃料タンクはシート前方の一般的な燃料タンク位置へと変更されているほか、R1250GS系と同じTFT液晶ディスプレイの装備や、ライディングモードの設定などが施された。つまりF750GSは、これまでのF700GSと似て非なるモデルとなっているのである。

跨るとR1250GSと比べて一回りコンパクトとされている印象で取り回しもしやすい。それは走らせてからさらにメリットに感じられるもので、まるで体の一部のように操ることができる。今回テストした車両はプレミアムラインで、ライディング・モード・プロやダイナミックESA、キーレスライドなどを装備しており、ストリート、ハイウェイ、ワインディング、林道という通常思いつくすべてのステージにおいて、高次元かつとても快適なライディングを楽しめるものだった。

F750GS(2018 -)の試乗インプレッションは次ページにて
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