VIRGIN BMW | 【BMW Motorrad 新型 F450GS 海外試乗記】F450GSが持つGSらしさを探る 試乗インプレ

【BMW Motorrad 新型 F450GS 海外試乗記】F450GSが持つGSらしさを探る

  • 掲載日/2026年06月11日【試乗インプレ】
  • 取材協力・写真/BMW Motorrad  取材・文/鈴木大五郎 

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BMW Motorrad F 450 GS(2026)
BMWが新たに送り出す”GS”、「F450GS」の国際メディア試乗会が、イタリア・シチリア島で行われた。新生Fシリーズでありながら、GSの末弟的存在として完全新設計となったF450GSを、モーターサイクルジャーナリストでありBMWライダートレーニング公認インストラクターでもある、鈴木大五郎がインプレッション。

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今一度問う、はたして“GS”らしさとはなんなのか?

BMWが送り出すアドベンチャーモデル”GS”。それはシリーズを通して長年多くのライダーに愛され続けてきた。

しかし今回排気量が抑えられたF450GSが東女要したことで、今一度、GSらしさとは何なのかということを考えてみたい。

走る場所を選ばない走破性であるとか、快適な乗り心地であるとか、頼もしさであるとか……。

いずれにしても、GSというモデルには、かなりワガママな要求に応えなければならない懐の深さが必要であることは間違いないだろう。

それはある程度大きな排気量でないと成し遂げることは出来ないのだろうか。そんな疑問を一蹴するかのように、開発陣はF450GSを本物のGSであると評した。

イタリア・シチリア島で行われたプレス発表会にて、F450GSが持つGSらしさとはどこにあるのかを紐解いていく。

BMW Motorrad F 450 GS(2026) 特徴

ここからが本番。ミドルGS第2章。

アドベンチャーマシンの雄、GSに新しいファミリーが加わった。これまで末弟役としてシリーズを支えてきた、G310GSの生産終了を受け、その実質的後継モデルとして登場したのがF450GSである。

新開発の並列2気筒エンジンを新設計のシャシーに搭載。完全なるニューモデルであるが、脈々と受け継がれるGSポリシーは健在であった。

「欧州におけるA2ライセンスは排気量に関しては不問。だがしかし、最高出力は48馬力とされるため、そこに適合したバランスの良い排気量とパワーのエンジンが導き出された」と説明するBMWの裏側には、しっかりとした戦略の思惑がうかがえる。

そもそもGSの語源はG=ゲレンデ、S=シュポルト。ドイツ語でオフロードスポーツを意味する。そしてG/Sの場合はゲレンデ/シュトラッセ=オフ/オンを意味するというのが正式な見解であるようなのだが(BMW自体はさほど細かい解釈を気にしていないようだが)いずれにしても、オンロードもオフロードも走行するうえで、しっかりとしたポテンシャルが備わっているというのがGSの定義であるといえよう。

その要望を応える本物のGSを作るため、開発陣は1からマシンを設計したのである。

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生産はインドで行われるが、その中身にはこれまでのGSで培われてきたノウハウが注入されている。

F450GSには4つの仕様に分けたグレードがラインナップされるのだが、もっともベーシックなベースグレードは日本への導入はされず3グレードが日本国内仕様として用意された。

装備内容がグッと充実したエクスクルーシブが日本ではベースモデル扱いとなる(カラーはブラック)。

加えて調整機構を装備したスポーツサスを搭載したスポーツ(カラーはレッド)。その上にトロフィーカラーを纏い、アルミ製エンジンガードや新機構、イージーライドクラッチ(ERC)を備えたGSトロフィーというラインナップとなる。

今回は午前中にスポーツでオンロードを。午後にGSトロフィーに乗り換えオフロードでテストライドを行った。

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BMW Motorrad F 450 GS(2026)試乗インプレッション

軽くてコンパクト。しかしその走りは紛れもなくGSであった。

F450GSには135度位相クランクという、独特なエンジンレイアウトを持つ並列2気筒エンジンが搭載される。F900シリーズが採用する270度クランクに対して、パワーやトルクでなにか大きく上回るということはないようなのであるが、BMWらしくというべきか、他とは違ったメカニズムを採用している。

その特徴はなんなのかを問えば「一番はサウンドだ!」と返答され、少し拍子抜けしてしまった。

420ccという、日本における法規にとってはやや歯がゆい排気量であると乗る前は思ったのであったが、いざ走り出してみるとトルクがしっかりあり、排気量のイメージ以上のパワフルさを持っていた。

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また、軽くてコントロールのしやすいクラッチも好印象で、低速域でのコントロール性も上々。そのうえで、スロットルを捻れば油断出来ないほどにぐんぐんスピードをのせていく。これは想像以上の動力性能を持っており、120キロでの巡航も快適そのものでメーター読み150キロオーバーも難なくこなすほどである。クランクタイミングに関わらず、これは良いエンジンだな。とすぐに感じたものである。

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GSの“S”面。これは、本物のGSだと主張する大きな特徴であり、それはオンロードでスポーツネイキッドモデルのような走りが楽しめる点だ。

このF450GSも同様。足まわりがしなやかに動いてくれることも安心材料となっている。そしてワイドすぎないタイヤもワインディングでの軽快さに一役買っている。

かなりのリーンアングルでコーナーを攻め立てても楽しいという感触で、ましてや不安にさせることはない。

BMWらしさともいえるガッチリした車体剛性はいまひとつ感じられものの、むしろそれが乗りやすさに繋がっている。

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オートシフターの節度が高く、小気味よくシフトチェンジが行えるのも良い。的確な回転数を選択すれば、大排気量のGSと共に走行しても遅れを取るようなシチュエーションはほとんどないだろう。

BMWらしい安全面での気配りも上級モデル並みである。例に挙げるなら6軸IMUを搭載しており細やかな制御を実現しているのだ。トラクションコントロールだけでなく、コーナリングABSも搭載しているのだから恐れ入る。

日本仕様ではグリップヒーターやETCが標準装備されるのも嬉しいところだ。

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午後はGSトロフィーに乗り換えてオフロードを走り出す。今回のマシンはオプションとなるワイヤースポークホイールのほか、タイヤもメッツラー製カルー4が履かれており、より一層オフロードを楽しみやすい仕様に変更されている。

F450GSの装備の中でもトピック的な扱いとなっているERC(イージー・ライド・クラッチ)は、R1300シリーズに採用されているASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)とは異なり、クラッチレバーが装備されている。

それは自分でシフトチェンジの必要はあるものの、クラッチ操作の必要はなく、エンストの心配もないという機能である。

マニュアルミッションライセンスのために習得したクラッチ操作というものは、ライディングの楽しみの一つであると考えるのだが、そのいっぽうで、クラッチ操作が何年経っても苦手だというライダーも少なくない。そういった現実を考えれば、この機構の存在意義はかなり大きなものである。

そして、それがスクーターなどではなく、本物のGSに搭載されているということが大きな魅力となっているのである。

構造自体はシンプルな遠心クラッチであり、2700rpmで完全につながる設定だという。

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そろりそろりと発進しようと恐る恐るスロットルを開けるとマシンが反応しない瞬間があり「おや?」と最初は感じたものだが、そのクセを理解してスムーズにスロットルを開けることでマシンは頼もしく発進する。ひとたび走り出せば、右手に集中できる恩恵をしっかり楽しむことが出来る。

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オフロードの入口でエンデューロプロモードを選択し、スタンディングポジションをとる。GSらしさという意味では、このポジションも大きいだろう。オフロードでのあらゆる状況に対処できる「良いライディングポジション」を取ることが可能だ。

178キロという車重は数値上、決して軽量とはいえない。とくにオフロードでは車重の軽さがポテンシャルを図る指標にもなりがちであるが、GSはある程度の重さまでも味方につけるかのような手応えのある質感であり、安定感であるとか安心感につながる何かを有している。

もちろん、単純に重いマシンであってはこうはいかないだろう。そのバランス感覚もGSらしさを感じさせてくれるのだ。

トルクのあるエンジンが走りの余裕を生み、このパワートレーンだからこそERCがマッチングしたのであろうとも感じられた。

トコトコと走らせる際にはエンストの不安を100%恐れることがなく、マシンの操作に集中することが出来ることは大きなメリットである。

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途中、ラリー競技などの経験豊富なライダーが先導しペースはアップ。こちらも必死についていくが、そこであらためて感じられたのがハードな領域での走破性の高さである。

ギャップに弾かれた際のいなし具合も素晴らしい。サスペンションのストローク量は前後180ミリと数値上は十分とは言えないものの、想像を超える吸収性と身のこなしを備える。

そして、エンデューロプロモードでのトラコンの設定も絶妙で、スライド感覚をしっかり味わえるのも嬉しいところ。安心、安全なだけでなく、しっかりとファンライドを楽しませてくれる部分を残すのもGS流なのである。

帰国してほどなくして日本での販売価格が発表された。欧州での販売価格から考えると、かなり魅力的なプライスであると感じられる。

F450GSの開発陣が目指した“本物のGS”というものは排気量を超えて存在感を示していたのである。

BMW Motorrad F 450 GS(2026)詳細写真

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新開発の420cc並列ツインエンジンは135度の位相クランクシステムで、最高出力48馬力を絞り出す。欧州のA2ライセンスに対応する形の排気量と出力となる。エンジンのクランクハウジングをフレームのストレスメンバーとして用い、車体剛性を向上させるとともに軽量化を実現している。

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ERC(イージー・ライド・クラッチ)はASAとは異なり、シンプルな遠心クラッチシステムで日本のブランド、FCC製を採用。2700rpmで完全につながる設定だ。非常につながりの良いオートシフターとの相性も抜群だ。

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上級機種と同等となる視認性の高い6.5インチのTFTディスプレイを標準装備。その高機能を活かす装備がマシンに備わっている証でもある。

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シートは前後分割式でシート高は845mm。15mm低いローシートもオプションとして用意されている。「GSトロフィー」のテスト車に装着されているのはオプションの一体型ラリーシートでシート高は865mmとなっている。

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KYB製倒立フォークは内径43mm。エクスクルーシブとGSトロフィーには減衰力調整機構の備わったスポーツサスが装備される。ストローク量はSTDと変わらず180mmとなる。

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プリロード調整および圧側減衰力調整機構を備えたKYB製リヤショックを装備。ストローク量はフロントフォークと同じく180mm。

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試乗したスポーツグレードのF450GSにはMAXXIS製のタイヤが使用されていた。ブレーキキャリパーはバイブレ製で、コーナリングABSも装備する。

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フロント19インチ、リア17インチとGSのスタンダード的サイズとなるアルミ製キャストホイール。全てのグレードで共通となり、スポークホイールはオプション扱いとなる。

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BMWモトラッドの多くのモデルと共通するジョグダイアルを用いたスイッチボックス。ライディングモードはレイン・ロード・エンデューロ・エンデューロプロの4種で出力特性やトラクションコントロール、ABS等の制御が最適化される。6軸IMUを装備することで細かい制御を実現した。

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