VIRGIN BMW | R1200CL(2002-) BMWバイク中古車ガイド

R1200CL(2002-)

  • 掲載日/2010年08月02日【BMWバイク中古車ガイド】

R1200CLの歴史など

R1200CLの画像

一気に拡充した BMW のクルーザー群
短い生産期間ながら独特の存在感は健在

1997年から販売を開始した R1200C 系は、今回ご紹介する R1200CL を2002年に4モデル目として発表するなど、驚異的な早さで新型クルーザーを開発していました。しかも2003年には5モデル目となるモントークが発表されています。

クルーザータイプのニューモデルラッシュには、世界的にクルーザータイプの需要が高くなり、BMW もその「市場」の大きさを見過ごせなかったという背景があります。ただし、2004年に R1200C 系の生産が突然終了しました。この劇的とも言える変更は、BMW が進む方向を「古くさくない」「躍動的で情熱的」な方向に見定めて車輌開発を切り替えたためです。それ以来 R1200GS を皮切りに K1200S 等、今までとは違った BMW が数多く現れ、HP2 シリーズや S1000RR が発売されることになります。

R1200CL の発売当初の価格は税別 235 万円でした。その後2004年にツインスパーク化され、236 万円になりました。ただし、生産が終了した後でも永らく新車の在庫がメーカーや販売店にあり、店頭での実勢価格は税別 210 万ほどだったような気がします。

R1200CLの特徴

R1200CLの画像

デザインもメカニズムもクルーザー専用
巨大ボディの CL には豪華装備が満載

BMW モデルの中で、K1200LT に次ぐ大きさと思える車輌が、この R1200CL だと思います。骨格となるフレームやサスペンション部分は R1200C 系のモデルと比較してほぼ同じなのですが、ハンドルマウントのカウリングやトップケースが比較的小柄な車体を大きく見せています。

メッキ部品が多いエンジンは 1200cc の排気量ですが、R1200RT や R1200GS のエンジン仕様ではなく、R1100 系のエンジンが基本となっています。エンジン性能は完全にクルーザー用に調整されており、最高出力は 60ps/5000rpm、最高トルクは 98Nm/3000rpm という思いきった低回転仕様にしてクルーザーとしての使い勝手に貢献しています。

フロントサスペンションは BMW 独自のテレレバー、リアサスペンションはモノレバーながらスイングアームを伸ばしてシャフトドライブ特有の挙動を軽減しています。R1200CL 最大の特徴として、ハンドル操作が重いという難点があります。ハイ/ロー、それぞれ2つずつ計4つのヘッドライト、大きなカウルや立派なミラー、太めのタイヤなどがハンドルと連動しているので、狭い場所でのハンドル操作は重労働です。ただし、高速道路などの直線路では RT に負けない安定感があり、快適に乗るためには場所を選ぶという一面があります。低くて丸い形状のシートは足つき性がとても良好で、身長 165 センチ程度ならば足つき性に不安はありません。さらに車体と一体になったサイドバッグやトップケースは後付け感が無く、トップケースにはバックレストも装備されていてタンデム走行には強いモデルです。

R1200CLの画像

特徴的なマスク

ハイ/ローそれぞれ2つ計4つのヘッドライト。大径がロービームになります。
R1200CLの画像

“魅せる”エンジン

クロームメッキ部品を多用したエンジン外装。
R1200CLの画像

走行中のBGMも万全

日本の周波数に合った FM/AM ラジオと CD プレーヤーを標準装備。

当時のカタログを見てみよう!

“大人の自由”を解き放つためのマシン
あくまでもジェントルなイメージで

R1200CLの画像
R1200CLの画像

中古車選びの注意点

R1200CLの画像

機能面よりもデザイン面
外装品の劣化は高くつく

過酷な走行条件下で使われることがほとんど無いモデルのため、定期的な点検を実施していれば特に不具合が起きることはありません。ただし、多用されているクロームメッキ部品の手入れが悪かったりすると、下地から腐食が進んで格好の悪いことになってしまいます。また、スクリーンは手入れの方法を間違えたり、手入れしなかったりするとキズ防止のコーティングが白濁してくるので要注意です。外装の塗装部品やサイドバッグなどに使用されているメッキ製のモール等は思いのほか高価です。中古車を選ぶ際は、基本状態はもちろんですが、外装品の状態にも十分気を配って選ぶことが大切となります。ちなみにスクリーンは、それだけで10万1808円です。

購入の際の注意点
  • ● クロームメッキされている部品は高価なため、キズやサビの付き具合に注意する。
  • ● リアブレーキディスクやリアタイヤの消耗は確認しにくいので見落とさないようにする。
  • ● ABSは年式によってサーボ付とサーボ無しがあり、その作動状態を必ず確認する。
  • ● フロントブレーキディスクのインナーローターが自然に歪むことがあるので、制動時の感覚に注意する。
  • ● サイレンサー全体が茶色に変色しているものは異常高温になった痕跡です。
  • ● インジェクションと ABS は専用テスターでの調整と確認が必要です。
  • ● バッテリーは生きの良いものを使用する。生きが悪いと ABS エラーを頻発し、面倒です。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

取材協力
住所/東京都渋谷区笹塚1-50-16
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電話/03-3468-6841

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