VIRGIN BMW | G650Xカントリー(2007-) BMWバイク中古車ガイド

G650Xカントリー(2007-)

  • 掲載日/2010年10月04日【BMWバイク中古車ガイド】

G650Xカントリーの歴史など

G650Xカントリーの画像

異なるキャラクターを持って登場した
シングルエンジン搭載のGシリーズ

今回ご紹介する G650X カントリーは、この「旧車購入ガイド」の名称でご紹介するには年式的にあまりに新しいモデルです。

このモデルは 2007年4月に G650X チャレンジと G650X モトの3機種で同時発売されました。カントリーの販売価格はアクティブラインが 1,095,000円、ABS が装備されたハイラインが 1,200,000円でした。F650GS の ABS 装備車が 105 万円弱でしたので、少し割高感があったのかもしれません。

発売当時は F650GS や日本車の単気筒モデルからの乗り換えを期待しておりましたが、考えられていたほどの需要が無く、新車キャンペーン時から結構すべっていた感があります。そして発売から半年程度で9万円弱の価格上昇があり、余計に需要が減っていきました。少なくとも日本ではカントリーは 2007年モデルしか無いと思われます。そして、メーカー生産が終了後の店頭在庫品は大幅な価格調整がおこなわれ、ハイラインの実勢価格が 100万円台ほどだったようです。

G650Xカントリーの特徴

G650Xカントリーの画像

Gシリーズは F650GS の後継にあらず
方向性を明確にしたシングルマシン

G650X カントリーは、2000年から発売となった F650GS と入れ替わりで導入されたモデルです。ただし、その性格と方向性は F650GS の延長線上ではなく、BMW の他モデルと比較すべきでもなく、新たな領域を求めて BMW が創ったモデルです。乗って楽しく、走って速く、押して軽いという良いモデルでしたが、日本ではそれをGシリーズに求められていなかったようです。

エンジンは基本的に F650GS を踏襲したものの、その性格は大幅に変わりアクセルに対して敏感な設定になっています。それにより気持ちの良い加速を得ましたが、流している程度の走りだとそれほど面白みを感じられないかもしれません。車体の前回り構成は、倒立テレスコピックフォーク、チューブタイプのスポークホイル、320mm のシングルディスクブレーキというものです。装備重量でも 170kg を切るのでブレーキの制動力に不足は無く、倒立フォーク(調整機能無)も BMW の中にあっては十分に目を引く装備です。

メーターとヘッドライトは必要にして十分な機能なのですが、飾りっけの無さが意見の分かれるところです。シートは 840mm の高さですが比較的幅が狭く、足つき性は悪い方ではありません。ただ多少堅めの設定なので、一日乗っていると辛いかもしれません。

ガソリンタンクは樹脂製でシート下に設置されており、BMW にしては 9.5L 容量と少なめな設定です。

駆動方式は一般的なチェーンドライブを採用しています。シャフトやベルトと違って定期的なメンテナンスが要求される部分です。G650X シリーズの車輌を語る上で気を付けないとならないのは、RやKシリーズが担うポジションを要求されていないという点です。例えば他シリーズはあたりまえのサイドバッグやグリップヒーターについても、Gシリーズではその設定すらありません。

G650Xカントリーの画像

シンプルを象徴する顔

とてもスッキリとしたハンドル周辺と簡素なメーターAssy。
G650Xカントリーの画像

贅沢過ぎる足

必要にして十分なフロントサスペンションと大径シングルディスクブレーキ。
G650Xカントリーの画像

積載は創意工夫で

荷物を積む際にはサイレンサーを避ける工夫が必要になります。

当時のカタログを見てみよう!

タウンユースからオフロードまで
あらゆる走行環境で駆け抜ける歓び

G650Xカントリーの画像
G650Xカントリーの画像

中古車選びの注意点

G650Xカントリーの画像

走行距離より放置による傷みに注意
足元をしっかりチェックしよう

長距離ランナーとして使われていることが少ないので、中古車で販売されている多くの車輌の走行距離は少な目です。それ故、距離での摩耗や不具合はほとんど無いと考えて良いでしょう。ただし、乗らずに置かれていたことによる不具合などには注意をする必要があります。

エンジン、インジェクション、ミッションは特に問題となることはありませんが、倒立フロントフォークのインナーチューブの腐食については確認する必要があります。正立フォークならば比較的見やすい位置にインナーフォークがあるので容易に掃除することが出来ますが、倒立フォークの場合にはインナーチューブが下側になるため汚れ易く、掃除しにくいので腐食の原因になり易く、注意が必要です。

購入の際の注意点
  • ● 車載されるバッテリーは 10A の小型 MF バッテリーのため、定期的に乗るか充電する必要があります。
  • ● R1200GS と違って G650X カントリーのスポークホイールはチューブタイプです。
  • ● フロントサスペンションは腐食、リアサスペンションはリンクの異音(グリス切れ)に注意。
  • ● アイドリング時のエンジン回転は 1,500rpm に設定され、基本的に変更することは出来ません。
  • ● 控えめなモデルのため、リコールやサービスキャンペーンが実施済みかをメーカーページで確認する。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

取材協力
住所/東京都渋谷区笹塚1-50-16
営業/9:15~18:00
電話/03-3468-6841

関連する記事

ピックアップ情報