VIRGIN BMW | BMWディーラーにいる『マイスター』ってすごいの? BMWバイクQ&A

BMWディーラーにいる『マイスター』ってすごいの?

  • 掲載日/2006年02月19日【BMWバイクQ&A】
  • 監修/福田モータ商会 平井 英行マイスター
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高度な技術はもちろん
営業的なスキルも持ち合わすスペシャリストです

中世以来の伝統を持ち、1953年からは職能制度として法制化されて(手工業法)、ドイツの産業発展に大きな役割を果たしてきたとされるのが、マイスター(MISTER)制度です。BMW本社のあるドイツのマイスター制度下では、手工業法に盛り込まれた職種については、マイスター資格がなければ開業できず、「見習い」を雇って指導することもできないことになっています。マイスターの資格を取得するためには、見習いとして3年間働きながら職業学校に通い、さらに「徒弟」(Geselle)として3~5年間の研修を積んだうえで試験に合格する必要があるという厳しい制度。いえ、だからこそBMWは品質が高いのでしょうね。

しかし、このマイスター制度は2003年の法改正以来、適応される職種が減ってしまいました(65業種にマイスター資格の保有義務がなくなりました)。これは昨今、欧州の深刻な失業者増加の影響からであると言われています。マイスターという壁があると、個人企業やミニジョブの育成が難しいからでしょう。それでも中世以来の伝統でしょうか、今でも熟練した職人のことを尊敬の念を込めて「マイスター」と呼ぶ習慣は欧州にはあります。

さて、ではBMW Motorradでのマイスターの位置づけはどのようなものでしょう。マイスターというと技術面ばかりに注目しがちですが、BMWの場合はそれだけではありません。高度な技術や整備知識は当然として、接客サービス、店舗運営の能力など営業面での知識を要求されます。これは、マイスター試験でも当然のように問われています。また、最新モデルは当然として、過去のモデルについての知識に加えて、実際に点検、整備、修理の経験があることが求められます。新旧のモデルのカラー、オプションを知っているだけ…ではマイスターにはなれません。まさにBMWを知り尽くし、技術面でも申し分のない、BMWマスターとも言うべきがマイスターといえるでしょう。

ちなみに、マイスターになるためには経験豊富なメカニックでも3年以上の年月がかかるのが普通です。一般的には5年というところでしょうか。もし、あなたの通っているお店にマイスターがいればぜひ一度お話してみてください。そしてできれば、自分の疑問をぶつけてみてください。きっと分かりやすく答えてくれるでしょう。

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