第4回 R1200RT 点火系
今回取り上げるのは、R1200RT と ST である。ここでは装備品が多い R1200RT をメインに、通称 PDI (Pre-Delivery-Inspection:納車前点検) 作業に加えて、新規採用されたメカやディテール、メインテナンス情報をできるだけ分かりやすく解説していく。オーナーおよびオーナー候補の方々も参考にされたい、ディーラーメカニックだけが知り得るニューモデルの細部を紹介していこう。
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プラグキャップにコイルが内蔵されたダイレクトイグニッションを全プラグに採用。いわゆるプラグコードは存在しない。4本それぞれが独立して制御されるシーケンシャルイグニションだ。

はめ込みのプラグカバーは指で外せるがかなり硬い。下側のカバーはネジ留め。

点火信号用の配線を外し、キャップを引き抜く。使っている工具は GS の車載工具。硬く張り付いていて、なかなか抜けないことがある。

コイル本体。取り付けの際はヘッドカバーやプラグとの接触面にグリスを塗っておく。張り付き防止策だ。

プラグレンチ他のセットはオプション扱いの別売りとなった。高圧エアでホコリや砂をよく飛ばしてから、対面 16ミリのレンチでプラグを外す。締め付けトルクは23NM。

スパークプラグ。4本ともダブル電極のボッシュ YR5LDE である。使用限度の目安は4万キロだが、磨耗状態を見て早めに交換した方がいい。

プライマリー (中央) はやや白め、セカンダリー側 (下) はやや黒めに焼ける傾向があるが異常ではない。

エンジンマネージメントは全面変更。左右独立制御のシーケンシャルインジェクション採用。各種センサーが一気に増え、アイドル調整用エアスクリューは廃止。同調とともにバイク側でコントロールされる。スロットルケーブル側のバランス調整は必要。ST はネジ一本留めのパネルを外すだけだが、RT は面倒だ。
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