第7回 ハンドル
BMW 初のパラレルツインエンジン。一見して従来のFシリーズとは異なるキャラクター、サプライズともいえるプライスタグなど、各方面から注目の F800 シリーズが到着。そのメカニズムについて、メンテナンス方法も交えて世界一詳しく紹介しよう。
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![F800S・F800ST分解レポートの画像](/vbmw_data/img/technical/technical03/07/01.jpg)
Sのハンドル廻り。アルミ鋳造製のトップブリッジにスチールパイプのハンドルバーがボルトオンされている K1200S や R1200S と同じ手法。見た目ほど低くはないが位置の調整はできない。切れ角は64°。ステムシャフト中心とフォーク位置のオフセットは BMW の伝統に沿って大きめ。最近のスポーツバイクはもっと小さい。
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Sのハンドルバーはただの鉄パイプではなく、異なる径のパイプをラバーで接着してある。K1200S や R1200S も同じ構造で、振動低減用のためのラバーマウント効果を持たせている。
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ST はやや幅広のパイプハンドルを採用する。ハンドル幅はSが 738 ミリ 、STは 797 ミリ。ハンドルパイプ径は 22.2 ミリ。5/8 インチバーだから日本車や汎用品と同じ。SもSTもシートとの位置関係は遠くなく、腕を程よく曲げることができる。STはもっと高くてもよかった。
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STのフォーク上部突き出し量。Sと比べると多い。
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SはSTよりも突き出しが少ないが、アンダーブリッジからの突き出し量は 245 ミリで両車同じ。トップブリッジの形状の違いだ。
![F800S・F800ST分解レポートの画像](/vbmw_data/img/technical/technical03/07/06.jpg)
トップブリッジは両者とも鋳型の上に塗装を施した素っ気ない造りで、削り出し加工風の演出はされていない。これも典型的な BMW 流。乗るたびに目に付く場所だけに腐食を嫌った処理だろう。コストダウンに見えるが、切削や研磨等の追加工をしないということは、元々の金型や鋳肌の精度が要求される。
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アンダーブリッジ。裏面は大きく肉抜きされているが HP2 程ではない。
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ステアリングダンパーは標準装備。調整機能は無い。スポーツライディング対応というより、タンデムや積載など前輪荷重が減ったときのハンドルの振れ対策だろう。
![F800S・F800ST分解レポートの画像](/vbmw_data/img/technical/technical03/07/09.jpg)
左スイッチ。Fシリーズとしては初めて、ウインカースイッチ左右独立式が採用された。基本的にRやKと全く同じもので、やっと全車種統一された。ハザードは左右同時押しでキャンセルは右のキャンセルボタンを押す。
![F800S・F800ST分解レポートの画像](/vbmw_data/img/technical/technical03/07/10.jpg)
右スイッチ。日本の法規に則って、ヘッドライトは常時点灯。グリップヒーターはセットオプション車標準装備。ベーシックラインではディーラーオプション。ウインカーキャンセルはスイッチを押し上げるか、10 秒もしくは 200m 走行後にオートキャンセルされる。
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おなじみのグリップヒーター。セットオプション車は標準、ベーシックラインでは ABS とともに省略されている。ベーシックラインでもヒーターの後付けは出来る。
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ボルト類はステンレス製が多用され、質感は非常に高い。
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