第4回 クランクケース2
満を持して登場した完全新設計の新型 R 1200 GS。登場するや否や、世界中のライダー達に賞賛を以って迎えられたが、プロメカニックの目にはどう映ったのだろう。今回も詳細に解説する。
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![R1200GS編分解レポートの画像](/vbmw_data/img/technical/technical07/04/01.jpg)
クランクウェブ外周には、重量バランス調整用の追加工(切削や穴)がほとんどない。鋳造の段階で高精度に製作されていることがわかる。
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コンロッド・スモールエンドは極端なテーパー状で軽量化されている。
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ウォーターポンプ本体はクランクケースに埋め込まれるのではなく、別部品として構成されている。S 1000 RR やK 1600 系エンジンと似た手法をとる。ウォーターポンプはエンジン前側、クラッチ上部に取り付けられる。
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オイルポンプ本体。潤滑用とは別に冷却用オイルサーキットが設けられている。オイルポンプユニットはクラッチハウジング脇に配置されている。
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クラッチと同軸のバランサーシャフト。これが回転して一次振動をキャンセルする仕組み。
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この分野で最も信頼性の高いデンソー製のスターターモーター。デコンプとスターターギア採用により負担が減ったことで、長年採用してきた大型のリダクションタイプから、小型で軽量なモーターに変更できた。バッテリーへの負担も少ない。
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オイルレベルセンサー。正確な量は前述の点検窓で見るが、オイル量のチェック忘れによるトラブルを防ぐため、補給が必要なレベルになるとディスプレイに警告を表示する。
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カムシャフト。この部品に限らず内部部品の鋳造鋳肌や切削加工跡は非常に綺麗で、バリ等はまったく見当たらない。
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クランクシャフトはプレーンメタル支持式。直径を細くして摺動面積を減らすとともに軽量化している。
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クランクケース内には内圧を調整するリードバルブが内蔵される。ピストンが左右に開く・閉じるを繰り返すボクサーエンジンは、どんなレイアウトのエンジンよりも内圧の変動が大きい。歴代ボクサーエンジンはさまざまな工夫を施してエンジン内圧を克服してきた。
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写真左側がエンジン後方のトランスミッション格納部で、右側がエンジン前方。内圧の変動が油面に干渉しないよう、オイルサンプ内にも隔壁が設けられている。
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クランクケースの組み立て。まずピストンをシリンダーに挿入する。ここまでは普通。
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クランクケースのサービスホールから、前頁で紹介したスペシャルツールを使ってピストンピンを挿入する。
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ピストンピンを挿入したら、スペシャルツールでサークリップを取り付ける。
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