VIRGIN BMW | カルパチア山脈が牙を剥く! インターナショナルGSトロフィー10回目の真実!! トピックス

カルパチア山脈が牙を剥く! インターナショナルGSトロフィー10回目の真実!!

  • 掲載日/2026年10月01日【トピックス】
  • 取材協力/BMW Motorrad Japan 写真・文/小松 男
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2年に一度、世界中のGS乗りが一生に一度だけ挑める祭典、インターナショナルGSトロフィー。記念すべき第10回大会が、ルーマイニアのカルパチア山脈を舞台に開催された。男子はドイツ、女子はチーム・ヨーロッパが栄冠を手にし、日本チームは総合5位。モータージャーナリスト・丸山浩氏もKOLとして帯同したこの6日間、そこにあったのは単なる冒険ではなく、その先にある過酷な挑戦だった。

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2008年、チュニジアの砂漠から始まった物語

インターナショナルGSトロフィーの歴史は、2008年に遡る。舞台はアフリカ北部・チュニジアのサハラ砂漠。ドイツ、スペイン、イタリア、アメリカ、そして日本という5カ国の代表が、全員F800GSに跨り、未知の砂丘へと挑んだのが始まりだった。以来2年に一度、開催地を世界中に移しながら回を重ね、パタゴニア、カナダ、タイ、モンゴル、ニュージーランド、アルバニアと、その舞台は過酷さと多様性を増し続けてきた。

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このイベントのルールは独特だ。各国の選抜チームが3名1組となり、順位よりもチームワーク、精密さ、忍耐、そして互いへの信頼が問われる。そして何より、「一生に一度しか参加できない」という一発勝負の重みが、このイベントを他とは一線を画す存在にしている。そして2026年、記念すべき10回目の開催地に選ばれたのが、東欧ルーマニアのカルパチア山脈だった。

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6日間・約1500km。”最も過酷”と称された第10回大会

今大会は、歴代大会の中でも「最も遠く、最も高く、最も技術的」と評されるものになった。6日間で走破した距離は約1500km、その約半分が未舗装路。3日連続で11~12時間もの走行を強いられ、3日目には170kmものオフロードを含む300km超のステージが待ち受けた。

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ハイライトは数多い。川底や砂礫を突き進む「アクラポビッチ・リバーベッド・チャレンジ」、狭いシングルトレイルを8kmにわたって駆け抜ける「メッツラー・エンデューロ・ナビゲーション・チャレンジ」、第一次世界大戦時代の軍用道路を登る”女王ステージ”こと「ストラテジカ・マウンテンロード」。道中では、ドラキュラ伝説で知られるブラン城や、世界的に有名な曲がりくねった峠道「トランスアルピナ」も通過している。濃霧と6℃という低温、そして大会期間中初めての本降りの雨が、最終日まで選手たちを苦しめた。

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大会のモットーは「Back to Basics」。競技車両は、装飾を削ぎ落としたシンプルな一台、BMW R12G/S。採点方式すらペンと紙によるアナログ集計という、あえて原点に立ち返る姿勢を貫いている。

最終日、わずか2ポイント差で決した女子優勝

タイトル争いは最終日までもつれ込んだ。男子部門は、最終日を前にチーム・ドイツがチーム・ヨーロッパに対して11ポイントのリードを保っていたが、最後まで気の抜けない展開が続いた末、203対147でチーム・ドイツが優勝。3位にはウクライナ(144pt)、日本チームは135ポイントで、8チーム中5位という結果に終わった。

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一方の女子部門は、さらにドラマチックだった。最終日を前に、チーム・インターナショナルとチーム・ヨーロッパの差はわずか2ポイント。大会前まで面識すらなかったという英国出身のクリッシー・ハーコートと、オランダ出身のアーニャ・フィラックの2人が、最終的に200対184でチーム・ヨーロッパとして優勝を勝ち取った。

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「頭の中が真っ白。実感が湧くまでしばらくかかりそう。2人とも本当に誇らしい」とハーコート。フィラックも「私たちは間違いなく参加チームの中で最小だったけれど、一つの体のように走れた」と振り返っている。初対面同士がわずか6日間でひとつのチームへと昇華していく。これもまた、GSトロフィーというイベントの本質なのだろう。

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白馬の風呂で聞いていた、”順位じゃない”という言葉

今大会、日本からは国内選考を勝ち抜いた杉本毅選手、今義拓選手の2名に、モータージャーナリストの丸山浩氏がKOL(Key Opinion Leader)として帯同し、3名でチーム・ジャパンを構成した。結果は総合5位。決して悪い成績ではない。

実はこのインターナショナルGSトロフィーが開催される少し前、白馬で行われたBMWモトラッドデイズ2026に参加した折、偶然にも宿で丸山さんと同じ風呂に浸かりながら話をする機会があった。 。

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ルーマニア行きを控えた丸山さんは、「楽しんできたい」と、実に穏やかな表情で語っていたのを覚えている。順位を狙う、というよりも、チームワークやスキルそのものを楽しみ尽くす。そういう姿勢が、あの言葉には滲んでいた。

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はっきり言っておきたい。インターナショナルGSトロフィーは、決して”簡単なチャレンジ”ではない。そして冒険と呼ぶにはあまりに過酷な、その先にある試練だ。1日12時間近く未舗装路を走り続け、濃霧と寒さと雨にさらされながら、初対面の仲間と信頼関係を築いていく。そこには間違いなく勝敗以上の何かがある。

世界中からGS乗りを集め、GSという乗り物が背負う哲学そのものを、地球規模で凝縮させて体感させる。この姿勢にこそ、BMWというブランドのモノづくり、コトづくりの根底が流れているのだと、改めて感じさせられる大会だった。

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