VIRGIN BMW | 最終回 総括 R1200GS編

最終回 総括

  • 掲載日/2013年11月25日【R1200GS編】
  • 執筆/モトラッド阪神 田中 建次
    このコンテンツは BMW BIKES Vol.63 (発行:2013.06.15) 「ディーラーメカが解説する R 1200 GS テクニカルディテール」掲載の記事を引用しています。

R1200GS編分解レポートの画像

GSが見せてくれる世界

すべてが新しくなった新型 R 1200 GS だが、実は先代と変わらなかったことも多い。エンジン排気量、ボアストローク、ファイナルも含めたギヤレシオ。車体サイズ・車重、フロント 19・リア 17 インチホイール、サスペンションストローク、シート高を含めたライディングポジション等。これら数値の多くで先代と同じ、またはほぼ同じ数字が並んでいる。

要するに主要諸元の数値はほとんど同じ。普通、フルモデルチェンジでそれはない。おそらく人気車種だからあえて変えなかったのではなく、再度ゼロから突き詰めていった結果、同じ数値になった、と考える。

ところが、乗ってみるとやはり違うことに気付く。劇的に軽くなったクラッチとスロットルや広々とした足元に若干戸惑いながらも、アクセルを開ければ瞬時にタコメーターが跳ね上がる。路面が濡れてでもいれば、トラクションコントロールがグリップの手助けに入るほどだ。先代までの、良い意味でダルな反応を望むなら『RAIN』モードを選択すれば、スロットルレスポンスが緩慢になるので街乗りや巡航にちょうどいい。

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カッチリした車体に、長いストロークとしなやかなサスペンションなど、先代の美点をさらに引き上げているが、これは従来までのレイアウトを下敷きにせず、まったくの新設計だからできたことだ。

私がうれしかったのは、GS の特性のひとつ、大径フロントホイールが生み出す走行安定性が失われていなかったことだ。新型 GS の噂が流れた時点では、オフロード志向の高い F 800 GS の存在があり、他社モデルのような 17 インチホイールを採用する可能性もあったからだ。

また、エンジン特性だけではなく、電子制御の進化も見事だ。ESA や ABS、トラクションコントロールにまで介入するモード切り替えの幅は非常に広く、新型 GS の最大のトピックはニューエンジンではなくこれだと思う。

さて、ここでちょっと趣向を変えて GS の魅力についてまじめに考えてみたい。アドベンチャーツーリングというカテゴリーを開拓した GS。多くのライダーが思い描く、その魅力とは何だろう。

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ツーリングに特化した装備だろうか? ゴツゴツしたオフロード系スタイルか? それともハイテク機能を満載した快適バイクだから?

いずれの一面も特長ではあるけれど、それだけで多くのライダーやツーリストに支持されているわけではないだろう。あなたは初めてバイクに乗ったことを覚えているだろうか? 緊張と興奮のなかでアクセルを開ければ、自身の行動半径が一気に広がり、このまま地球の果てまで走って行けるんじゃないかという高揚感……。

GS というバイクに心惹かれるのは、そんなある意味子どもじみた冒険心がリアルに具現化されているからではないだろうか? でっかいホイールに、でっかい燃料タンク。積載能力は最高。走り出してしまえば、少々のオフロードだって大型の艦船のように粛々と突き進む。GS の向こう側に広がる、誰でも一度は夢見たことのある世界。その世界観こそが GS 最大の魅力であり、バイク乗りを今日も走りに駆り立てるのだ。

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