VIRGIN BMW | BMW Motorrad F900XR(2020)/ 長い足が路面をつかむスポーティで快適な万能マシンをインプレ 試乗インプレ

BMW Motorrad F900XR(2020)/ 長い足が路面をつかむスポーティで快適な万能マシンをインプレ

  • 掲載日/2020年03月10日【試乗インプレ】
  • 取材協力/BMW Motorrad  取材・文/佐川 健太郎 写真/BMW Motorrad

BMW Motorrad F900XR(2020)/ 長い足が路面をつかむスポーティで快適な万能マシンを試乗インプレの画像

BMW F900XR(2020)

SUV的発想のモーターサイクル

スペイン・アルメリアで開催されたBMWの新型F900シリーズの海外試乗会からレポートをお届けしたい。F900XRは同時にデビューしたロードスタータイプの「R」と共通のエンジンと車体を持つ最新モデル。BMWの中では「アドベンチャースポーツ」に位置付けられ、直4エンジン搭載のS1000XRに続く第2弾になる。

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前後サスペンションのストローク長が「R」に比べてそれぞれ35mm/30mm長い“足長スタイル”で、かつ前後17インチホイールとオンロードタイヤを装備。2灯式LEDヘッドライトを採用したハーフカウルに2段階調整式のスクリーンを装備するなど、スポーティかつ長距離をより快適に移動することを得意とするSUV的なモデルと言っていいだろう。

ちなみに3種類のグレード(ベース/スタンダード/プレミアムライン)が設定され、電子制御パッケージなどがアップグレードされる点も「R」と共通だ。

BMW F900XR(2020) 特徴

足長スタイルだが足着きも良好

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見た目は直4エンジン搭載の兄貴分、S1000XRとそっくりだが、よく見るとフロントカウルやリアシートまわりが小ぶりで、特に並列2気筒エンジンがコンパクトに収まっていることに気づく。

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跨ってみると、足長スタイルの割に足着きも良い。「R」のシート高815mmに対して「XR」は825mmと大差なく、スリムな車体も貢献している。加えて前後サスは初期がソフトで適度に沈み込んでくれるためだ。「R」に比べてハンドル位置が高く手前に、ステップは低めの前寄りにセットされ、上体が程よく起きたツアラータイプの楽なライディングポジション。車格や重量感は、似たポジショニングにあるF750GSよりさらにコンパクトな印象だ。

BMW F900XR(2020) 試乗インプレッション

力強い鼓動感とトルクが気持ちいい

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F850GSをベースに排気量を895ccへと拡大した水冷並列2気筒エンジンは270度クランクによる不等間隔の鼓動感が気持ち良く、路面を蹴り出すトルクの粒が鮮明に伝わってくる感じ。2つのカウンターバランサーのおかげで回転は滑らかで振動も少なく、スロットル一定のまま小気味よいビートに包まれながら街を流しても気持ちいい。

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そして、アクセルを開ければ最高出力105psのスペック以上の力強さで加速していく。前後17インチのキャストホイールなのでコーナーでの倒し込みも軽快で素直。足長タイプではあるが、ハンドリングはアドベンチャーというよりはオンロードスポーツのそれに近い。

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ワイルドな路面ほどメリットが生きてくる

ワインディングの走りはXRの真骨頂だ。所々に砂利が吹き溜まった荒れたアスファルトが連続する中、F900XRはしなやかな長い足によって路面をきっちり捉えて進んでいく。スロットルのオン・オフと体重移動のタイミングを同調させながらサスペンションの反動をうまく利用してやると、まるでスキーのスラロームのようにリズミカルに切り返せるのが楽しい。

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長い足を生かすにはちょっとしたコツはあるが、タイトなS字なども意外なほど軽快なフットワークを見せてくれるのだ。これには軽量プラスチック燃料タンクや、車体の低位置にコンパクトに収められた排気システムなど、マス集中と低重心化による恩恵も大きいと感じた。

そして、だんだんと車体の動きに慣れて高速コーナーでペースを上げていくと、荷重によって前後サスを沈めながら路面に吸い付くような安定感も得られる。ワイルドな路面をハイペースで走破したいときにこそ、「XR」のメリットが生かされると実感。一方で高速道路では伸びやかな加速感と空力に優れるカウル、乗り心地の良い前後サスペンションのおかげで快適なハイスピードクルーズが楽しめた。

最新の電子制御が安全な走りをサポート

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今回の試乗車にはオプションの「ライディングモード・プロ」が搭載されていて、フル装備の電子制御を試すことができた。標準装備の「レイン」と「ロード」に加え「ダイナミック」と「ダイナミック・プロ」の選択が可能で、モードによってエンジンは瞬発力を増し、ダイナミックESAがリアサスをスポーティな設定に変更してくれるなど、よりアグレッシブなキャラクターに変貌。いろいろ試しているうちに分かったのだが、リア側のプリロードを強めて前下がりの車体姿勢を作ることで旋回力を高めることもできてしまう。それが走行中でも手元のスイッチひとつで調整できるところが素晴らしい。

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また、ABSやASC(トラクションコントロール)の設定もコーナリング対応になり、新たな機能として加わったMSR(いわゆるエンジン・ブレーキ・コントロール)が急なシフトダウン時などに起こる後輪スリップを回避してくれるなど、高度な電子制御によって安全が担保されているのも大きなメリット。コーナーの先を明るく照らしてくれるアダプティブ・ヘッドライトが新装備されたこともトピックだろう。

扱いやすい車格とパワーに最新装備を備えたF900XR。1台で街乗りからロングツーリング、さらにはスポーツ走行までマルチにこなしたいという欲張りなユーザーの思いに応える、まさに万能マシンだ。

BMW F900XR(2020) 詳細写真

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F850GS搭載の水冷並列2気筒853ccエンジンのボアを2mm拡大して895ccとし最高出力を10ps増しの105psに向上。ピストンも鋳造から鍛造に強化され、90度オフセットクランク(通称270度クランク)を組み合わせることで鼓動感も強調された。F900Rとスペックも同様だ。

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Vツインにも似たパルス感のあるサウンドを奏でるマフラー。アンダーボディ排気システムを採用し、軽量化とともにマス集中化を図ることでスポーツ性能を向上させている。

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「R」より35mm長いストローク量が与えられた倒立フォーク(調整機能無し)にブレンボ製4Pラジアルブレーキキャリパー&φ320mmダブルディスクの組み合わせ。「スタンダードライン」以上にはコーナリング対応のABSプロを標準装備。

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「R」より30mm長いストローク量が与えられたリンクレスタイプのリアシッョクを採用。「プレミアムライン」には電子制御サスペンション「ダイナミックESA」を搭載、ライディング・モードと連動して減衰力とプリロードを最適化するだけでなく任意設定でパーソナライズも可能だ。

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2灯タイプのフルLEDヘッドライトはイグニッションオンで写真のポジションライト&DRLが点灯。その上にハイーム、ロービーム、アダプティブ・コーナリングライトが3段重ねで搭載される最新タイプだ。

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シートは「R」同様、座面が前後に広くなりライディングポジションの自由度がアップしている。標準は825mmだがオプションで775mmから870mまで6段階のシート高を選ぶことができる。

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強度と剛性バランスを最適化した新世代のスチール製ブリッジフレームにアルミ製スイングアームを組み合わせたシャーシは「R」と共通。ミシュラン最新の全天候型オールラウンドタイヤ「ROAD5」をOE装着。マシンとの相性もとても好印象だった。

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スクリーンは片手でレバー操作するだけで高さと角度を2段階に調整できる。とても簡単で合理的なシステムだ。写真は高速走行時におすすめのハイポジション。

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オプション装備のシフトアシスト・プロ(いわゆるクイック・シフター)はクラッチ操作することなく瞬間的にアップ&ダウンのシフトが可能。作動感もスムーズで正確。圧倒的に楽なだけでなく、シフトミスを防いでくれるため安全でもある。

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6.5インチ大画面のTFTフルカラーディスプレイを搭載。写真は「ライディングモード・プロ」と連動したスポーツ走行向け画面で、タコメーターを中心にDTC介入度や減速度、バンク角なども表示。「R」同様スマホ連動によるコネクティビティ機能も搭載。

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左グリップに装備されたダイヤル式のマルチコントローラーにより、TFT画面を簡単に素早く操作することが可能。他にもクルーズコントロールやダイナミックESAなどのスイッチ類が並ぶ。インターフェイスデザインは「R」同様、もちろんキーレス・ライド対応だ。

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