南ドイツで開催されたヒルクライムレース「2019Auerberg Klassik/アウアーベルグ・クラシック」
- 掲載日/2019年11月01日【トピックス】
- 取材協力/Auerberg Klassik 取材・写真・文/河野 正士
スタートを待つBMW Classicチーム。チームは3台のマシンを持ち込んだ。#14はR5Kompressor、#15はR57。
復活したヒルクライムレース
「Auerberg Klassik」
ヨーロッパはいま、毎年のように新しいバイク系イベントが誕生している。ユニークなのが、その多くがレースをメインコンテンツとしていること。なかでもフラットトラックやビンテージエンデューロは人気で、カスタムビルダーを中心とした多くのインフルエンサーたちが、オフロードのトレーニングを頻繁に行っている。しかしここで紹介する、2017年にスタートした「Auerberg Klassik/アウアーベルグ・クラシック」は、舗装されたワインディングを封鎖して行うタイムアタックレース、いわゆるヒルクライムレースだ。
開催場所はBernbeuren/ベルンボイレン。南ドイツの都市/ミュンヘンからクルマで約2時間、オーストリアとの国境に近い小さな街だ。1967年から1987年までのあいだ、毎年9月の第3日曜日に「Auerbergrennen/アウアーベルグレンネン」という名前で開催されていた、アルプスの麓にあるAuerberg (アウアーベルグ)の山道を使ったヒルクライムレースの復刻版として2017年に復活。以来、2年毎の開催を目指し、今年で復活2回目の開催となる。
このイベントにBMW Classicはグッドウッド用に製作したR57 コンプレッサーをはじめ、多数のクラシックレーサーを投入。一般参加者も多くのBMWを持ち込んだ。
タイムアタックを行ったのは2輪車のみ。自動車はデモランのみを行った。参加可能なのは1979年以前に生産されたモデル。カスタム車両もエントリー可能。約2kmのコースを、2日間で4度タイムアタックする。参加車両は200台を超え、1万人の観客が集まった。次回開催は2021年9月である。
グッドウッド用に製作されたR57Kompressor。トロイ・コーサーが駆り、ノートン・マンクスに乗ったジョン・マクギネスをストレートでかわし、その際にコーサーがヒップタッチしながら抜き去っていく動画を観た人も多いのでないだろうか。これは、正しくそのマシンである。各ディテールは#14のR5Kompressorとも#15のR57とも異なっている。
#101がR57。フロント・リーフスプリングのメカニカルダンパーの造りが、先に紹介したR57Kompressorのそれと大きく異なる。
BMWの元ファクトリーライダー、ヘルムート・ダーネも参加。マシンはR90S風にカスタムしたR75/5。赤を基調にしたレーシングスーツのデザインも当時のままだ。
ベルンボイレンの街角に貼られていた会場への案内看板。
スポーツ施設の駐車場を利用したパドックから、街の中心を通り、ヒルクライムのスタート地点に向かう途中、観客たちが拍手で選手を送り出す。
タイムアタックの場所となったAuerberg (アウアーベルグ)の山道。普段は地元住民が使う一般道。乗用車がすれ違うとき徐行が必要なくらいの道幅。路面コンディションはいい。
スタート地点の手前の道路が、スタート前車両が停車するピット。木製の柵などに車両を立てかけ、観客たちはすぐ近くまで歩みよってマシンを凝視する。
教会がある、メイン会場広場。フードやスイーツのケータリングが出展。もちろんコーヒーやビールも販売されている。晴天に恵まれ、2日間で約1万人が来場した。
整備を終え、翌日のタイムアタックを待つBMW Kaczor(資料には掲載されていないがおそらくR50S)。
BMW R67ベースのサイドカー。スポーツ施設の駐車場を利用したパドックには、車中泊でイベントに参戦するライダーたちも多かった。
スポーツ施設の駐車場を利用したパドックからスタート地点まで、出場する200台あまりのマシンが一斉に移動する。
スタート地点に向かう車両を見送る観客たち。
BMW R50ベースのレーシングマシン。
BMW R50/2。
BMW R75/5。イマドキのスタイルにカスタムされている。
オリジナルコンディションのBMW R75/5。
BMWのニーラーも多数参加していた。
BMW R67ベースのサイドカー。低く構えたパッセンジャーがコーナーリングをサポートする。