VIRGIN BMW | 第3回 クランクケース1 R1200GS編

第3回 クランクケース1

  • 掲載日/2013年07月16日【R1200GS編】
  • 執筆/モトラッド阪神 田中 建次
    このコンテンツは BMW BIKES Vol.63 (発行:2013.06.15) 「ディーラーメカが解説する R 1200 GS テクニカルディテール」掲載の記事を引用しています。

R1200GS編分解レポートの画像

満を持して登場した完全新設計の新型 R 1200 GS。登場するや否や、世界中のライダー達に賞賛を以って迎えられたが、プロメカニックの目にはどう映ったのだろう。今回も詳細に解説する。

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フロントカバー内部には S 1000 RR と同じスリッパークラッチ内蔵の湿式多板式クラッチが配置される。操作に要する力は驚くほど軽い。この位置はクランクシャフト下の前輪直前。後述するトランスミッションとともに重量物がクランクシャフト下に配置されることで、押し歩きでもはっきりとわかるくらいに重心が低い。
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クラッチハウジングを取り外したところ。写真上部でわずかに覗いているのはクランクシャフトのギア。つまりクラッチハウジングはクランクシャフトとは逆回転する。同軸にバランサーシャフトが配置されるので、クラッチ自体もバランサーの役目を持つ。エンジン最前部に配置されたことで、メンテナンスが楽になった。
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エンジンをひっくり返して、エンジン後方からカバーごとトランスミッションを引き出す。いわゆるカセット式トランスミッションを採用している。エンジン前方に向いた長いシャフトは、エンジンを縦に突っ切ってクラッチにつながる。
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6速ミッションのギアレシオは、1速が旧型よりわずかに低いが6速は同じ。
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トランスミッションを引き抜いた後のクランクケース。上には出力 580W のオルタネーター(発電機)が見える。
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オルタネーターカバーを取り外して裏返したところ。コイルはカバーと一体型である。
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ローター内側には冷却用のフィンが刻まれる。
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奥にはスターター用のギア。ワンウェイクラッチを介してスターターモーターにつながる。これによって、デコンプシステムとともにスターターモーターを小型化することができた。
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スターター用ギアやカムチェーンなどをすべて外してみた。ミッションとエンジン(クランクシャフト)の間には隔壁があることがわかる。
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クランクケースの分割にはピストンを外さなければならない。しかし、シリンダーはクランクケースと一体成型なので、このままではピストンピンを抜くことができない。
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ここでスペシャルツール(SST)登場。クランクケースに設けられた穴(サービスホール)にツールを挿込み、サークリップとピストンピンを抜くためだけの特殊用途専用。写真上側がサークリップの取り付け・取り外しに使う SST で、その下はピストンサークリップ。写真下側はピストンピンの引き抜き・低圧入に使用する SST で、その下の短い筒状の部品がピストンピン本体である。
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実際にツールを挿し込んで作業する様子。クランクケースの分解・組み立ては、これら特殊工具がないと不可能。よくこんな構造を考えつくな、と感心するやら呆れるやら。
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クランクケース分割。クランクシャフトが見える。クランクシャフトのメインベアリングの直径が 60mm から 55mm へと一回り小さくなり、軽量化とともにベアリングの回転抵抗を減らしている。
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クランクケースの上半分(写真左側)にクランクシャフト。下半分(写真右側)にクラッチとトランスミッションという構成がよくわかる。

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