VIRGIN BMW | 2015 鈴鹿8時間耐久ロードレース Team Tras 135HP参戦レポート トピックス

2015 鈴鹿8時間耐久ロードレース Team Tras 135HP参戦レポート

  • 掲載日/2015年08月17日【トピックス】
  • 取材協力/BMW Motorrad Japan、鈴鹿サーキット  文/佐倉 詠介  写真/BMW Motorrad Japan、VIRGIN BMW.com 編集部
2015 鈴鹿8時間耐久ロードレースの画像

8耐は、今年で 38 回目を迎える歴史のあるレース。バイク乗りにとって、夏の風物詩として親しまれてきました。S 1000 RR の登場以来、BMW も8耐を彩る主役の1台として活躍を続けています。

BMW レースの老舗チームが
今年も8耐で大活躍

さる 2015年7月26日、『8耐』こと “コカコーラ・ゼロ” 鈴鹿8時間耐久ロードレースが開催されました。8耐は日本最大のバイクの祭典、毎年多くのバイクファンが観戦に訪れます。今年も予選日から決勝日までの3日間で、11 万人を越す観客が鈴鹿サーキットに足を運びました。

8耐は世界耐久選手権の1レース。日本独特の高温多湿な気候もあり、その過酷さは世界有数と言われる厳しいレースです。その8耐に今年は 10 チームが S 1000 RR を駆りエントリー、外車勢としては最大多数、S 1000 RR の速さが広く認められていることの証明でしょう。中でも注目なのが、Team Tras 135HP、同チームは BMW オフィシャルサポートチームとして、国内二輪レースの最高峰、全日本 JSB1000 クラスに参戦中。もともとは BMW で8耐を走るために立ち上げられたチームであり、R 1100 S の時代から8耐に挑戦し続けている、BMW のレース活動では草分け的存在です。

ライダーはレギュラーの寺本幸司選手と児玉勇太選手に加え、スペイン人のペドロ・ヴァルカネラズ選手を招聘。予選では、児玉選手が走行中に転倒、マシンが大破するものの、寺本選手の力走で 25 番グリッドを確保。迎えた決勝では、給油機の故障やスタンドフックのボルト脱落など、ピット作業でのトラブルが発生したものの、走行自体は順調。見事に8時間を走り切り、17 位という好成績でゴールしました。

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01Team Tras 135HP は、もともと8耐参戦を目的に結成されたチーム。R 1100 S にはじまり、K 1200 R ではクラス優勝を獲得。“もて耐” では HP2S で総合優勝を果たした実績もあります。2010年にはマシンを S 1000 RR にスイッチ。昨年から BMW Motorrad オフィシャルサポートチームとして、全日本選手権にもフル参戦しています。
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02Team Tras 135HP のメカニックは、各地の BMW Motorrad ディーラーのマイスターたちを中心に構成されています。BMW に関する知識と経験は、どんなチームにも負けません。
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03右の人物がチーム監督を務める武藤昇さん。BMW JAPAN のスタッフではありますが、業務ではなくプライベートでレース活動を行っています。かつて行われていた BMW のワンメイクレース、ボクサー・トロフィーの仕掛人でもあります。日本国内での BMW のレース活動は、武藤さんの熱意が引っ張ってきたと言っても過言ではありません。
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04練習走行中、児玉選手にアドバイスを送る寺本選手。経験豊富な寺本選手は、ライディングテクニックの高さはもちろん、マシンの開発能力にも定評があり、チームを牽引する存在です。
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05ライダーを囲んで、マシンセッティングについてディスカッションするチームスタッフ。Team Tras 135HP は全日本 JSB1000 クラスで、サスペンションメーカーのショーワと共同でレース用アクティブサスペンションの開発を行っています。8耐ではレギュレーション上、使用できませんでしたが、サスペンションはショーワがサポートしました。
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06予選は午前と午後の2回、3人のライダーが走行し、チームのトップタイムが予選タイムとして採用されます。最初に予選に挑んだ児玉選手は、スタートして2周目に転倒、マシンは大破して走行不能に陥ってしまいました。ですが、予備のマシンをメカニックが懸命にセットアップ、その後の予選をこなし、無事に予選通過を果たしたのです。
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07スタート前、グリッドに控える3人のライダー。左から児玉選手、寺本選手、ヴァルカネラズ選手です。スタートライダーは寺本選手が担当しました。スタート前にも関わらずリラックスした表情を浮かべる寺本選手。8耐だけでなく、世界耐久選手権など、数々のレースを戦ってきた貫禄をみせます。
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08いよいよ緊張のスタート。8耐では、コースの反対側に置かれたマシンに、ライダーが駆け寄って乗車する、ル・マン式スタートが採用されています。緊張感と、これから始まる激戦への期待が、最高潮に達する瞬間です。
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09スタート直後のメインストレートは大混雑。今年の8耐はフルグリッド 70 チームが決勝を走ったので、その混み具合は例年以上です。スプリントレースとは違い、スタート順位はそれほど重要ではありませんが、ここでいかに走りやすいポジションを得るかも、この後のレース展開に影響してくるのです。
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10寺本孝司選手は 1971年生まれの大阪出身のライダー。全日本 ST600 などで活躍し、世界耐久選手権も経験しています。過去の8耐では4位に入賞した実績を持つ実力派ライダーです。Team Tras 135HP ではエースライダーとして全日本 JSB1000 クラスを戦っています。
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11耐久レースの見所の一つが、ライダー交代時のピット作業です。前後のタイヤ交換と燃料の給油を、わずか 20 秒ほどでこなしてしまいます。コース上のライダーは1秒を争う走りをしています、ピット作業も同じで時間との戦いなのです。
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12ペドロ・ヴァルカネラズ選手は、昨年から2年連続で Team Tras 135HP のライダーとして8耐に参戦しています。世界耐久選手権のスーパーストッククラスで、世界チャンピオン獲得歴もあるライダー。Team Tras 135HP は、マシンもスタッフも完璧だと絶賛していました。
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13児玉勇太選手は 20 代の若さながら豊富な8耐経験を持ち、過去には5位、7位という2回のシングルフィニッシュを経験しています。今年、Team Tras 135HP に加入し、全日本 JSB1000 クラスにフル参戦しています。
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14ゴールは間近、とにかく無事にゴールしてくれと祈りながら、ピット内のモニターでライダーの走りを見守るチームスタッフ。耐久レースはライダーの力だけでは走ることができません、多くの人が力を合わせて戦うチームスポーツです。
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15最後の夜間走行はヴァルカネラズ選手が担当。世界耐久選手権は 24 時間レースが基本で、同選手は夜間走行の経験が豊富。加えて、欧米人は日本人と比較して夜目が利くので有利、最後までポジションアップを諦めない作戦でもありました。
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16ゴール後、プールに飛び込んでハシャギまわる3人のライダー。レース中、走行後に熱をもった身体を冷やすために用意されているプールですが、レース後はアトラクションに早変わり。ライダーだけでなく、クルーもプールに飛び込んで、喜びを全身で表していました。
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17ゴールしたマシンは一旦オーガナイザーが保管、上位入賞マシンはレギュレーション違反がないか分解検査等が行われるのです。激闘を終え、静けさが戻ったサーキットに佇むマシンたち。また来年、この場所で会おう。そんな言葉を交わしているかのようです。
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