VIRGIN BMW | #03 ショップスタッフとライダー、二足のわらじ S1000RRの楽しみ方

#03 ショップスタッフとライダー、二足のわらじ

  • 掲載日/2011年04月28日【S1000RRの楽しみ方】
  • 文・写真/淺倉 恵介
S1000RRの画像

バイクショップのスタッフと、レーシングライダーというふたつの要素に挟まれ、忙しい毎日に疲弊する心身。そんな日々の中、高田さんの前に突如として現れた S1000RR。2人は許されぬ恋に落ち…ではありませんが、運命的な出会いではあったのです。

バイクショップのスタッフと
レーシングライダーの二足のわらじ

2003年からDREAM船橋で働くことになったのですが、実はきちんと就職するのはこれがはじめてでした。レースというものはお金もかかりますが、時間も相当とられるものです。全日本選手権であれば、決勝日は日曜日ですが、予選や公式練習などがありますから、木曜日あたりからサーキットに詰めるのが普通です。それがシーズン中はだいたい月に1度、2度ある月もあるのです。8耐ならレースウィークはまるまる一週間仕事を休まねばなりません。これでは、普通の企業にはなかなか雇ってはもらえません。そのあたりに理解を示してくれたバイクショップという仕事は、ボクにとって適職だったと思います。ショップスタッフとしてユーザーの皆さんのバイクライフのお手伝いをする傍ら、レース活動も並行し、全日本や8耐に参戦していました。

2007年にはグループ店のDREAM松戸がオープン、そちらで店長を勤めることとなりました。引き続きプライベートでレースにも出場していましたが、店長という立場は「お店を利用してくださるお客様にどんなサービスを提供できるのか」ということも考えなくてはなりません。ボクはバイクショップ店長であると同時に、レーサーでもあります。そんなボクだからこそできることを考え、ショップ主催のツーリングやサーキット走行会、自動車教習所のコースを使用した安全運転講習会などを開催するようになりました。

S1000RRの画像

サーキット走行会は多くのユーザーさんに楽しんでいただけるイベントに育ちましたし、講習会では安全にバイクを楽しむ方法を皆さんに学んでいただけたようです。「DREAM松戸のお客さんは事故率が低い」と評判でした。ボク個人の手柄ではなく、お客様一人一人の自覚に依るものですが、バイクを安全に楽しむお手伝いができたのではないか、と自負しています。それはボクにとって大きな誇りです。

ここまで読んでいただいた方にはお解りかと思いますが、ボクはバイク一直線の人生を送ってきました。高田速人はモータースポーツに育てられた人間です。バイクを通じて開かれる世界は素晴らしいものです。一人でも多くの方にバイクの素晴らしさを知ってもらうことが、ボクという人間を作ってくれたバイクへの恩返しだと思っています。ショップスタッフとしての仕事も「モノを売るのではなく夢を売る」という心構えを持って働いていました。

DREAM松戸での仕事は充実したものだったのですが、いつしか他に自分にできることはないか? 自分にしかできないことがあるのでは? と、自分の置かれた状況を考えるようになっていきました。また店長という仕事はなかなか忙しく、レースにかけられる時間が少なくなり、フラストレーションを感じていたこともありました。

人生の岐路で
S1000RR に出会った

そんな中、先輩ライダーの戸田 隆選手から「8耐で S1000RR に乗らないか?」と、お誘いをいただきました。戸田選手は、昨年の開幕戦から全日本スーパーバイク選手権の JSB1000 クラスに S1000RR で参戦、初レース時からポイントを獲得するなど話題となっていました。

S1000RR のポテンシャルには興味がありましたし、レースを走りたいという欲求も膨れ上がっていたところでしたが、ホンダのディーラー店に勤めながら、BMW のバイクでレースに出るというのは、スジの通らない話です。随分と悩んだのですが、お世話になったDREAM松戸を辞して、自身のショップ「8810R」を立ち上げることになったのです。

いくらボクがバイクバカだといっても、生活の全てをバイクとレースに捧げているわけではありません。中でも、人間が生きていく上で仕事というのは大切なものです。レースに出たいというだけで仕事を変えてしまうほど若くもありません。S1000RR での8耐挑戦は、自分の置かれた現状、目指す未来など、いろいろな要素が重なり合い、ここぞというタイミングでいただいたオファーだったと言えるでしょう。また、自分にとって大きな決断を後押ししてくれたのが、S1000RR というバイクの存在であったことは事実です。そんなこともあり、S1000RR には何か運命的なものを感じてもいるのです。

2011年は S1000RR で全日本スーパーバイク選手権 JSB1000 クラスにスポット参戦しますし、鈴鹿8時間耐久レースにもエントリーします。皆さん、応援をお願いいたします。

昨年のレースで S1000RR の速さには確信を持っていますし、そのポテンシャルをどこまで引き出すことができるか、ボク自身も楽しみです。また S1000RR はストリートバイクとしても大変完成度が高いバイクですから、ツーリングにも出かけてみたい。8810R として、ライディングスクールやサーキット走行会の開催も予定しています。そこで S1000RR 乗りの皆さんと交流できたら嬉しいですね。まずはボク自身が S1000RR を存分に楽しむ、そして読者の皆さんのお役に立てる情報が発信するコラムにできればと考えています。

それでは皆さん、あらためまして高田速人と S1000RR をよろしくお願いいたします!

そうそう、今シーズンの S1000RR でのレース第1戦は、5月15日(日)に鈴鹿サーキットで開催される、鈴鹿2&4レースです。皆さん、是非サーキットまで足を運んでみてください。その際には高田速人と S1000RR への声援をお願いします!

S1000RRの画像
S1000RRの画像
DREAM松戸時代の高田さんは名物店長として知られていた。サーキット走行会での先導はもちろん、ライディングスクールのインストラクターとしても活躍。安全運転講習会でも MFJ 公認インストラクターのスキルを発揮、率先して指導にあたっていた。安全運転講習会は警察からも評価され、白バイ隊員も講師陣に参加していた。
S1000RRの画像
バイクショップ店長として忙しい日々を送る中でも、レースへの情熱は消えることはなかった。仲間とともにチームを結成、プライベートで鈴鹿8耐や全日本に参戦していた。
国際ライダー MFJ公認インストラクター
高田 速人
バイクのタイヤとメンテナンスの専門店「8810R」代表。1976年生まれ、東京都出身。中学2年でミニバイクレースを始め、高校卒業後はロードレースにステップアップ。1996年に国際ライダーへと昇格、全日本選手権や鈴鹿8時間耐久レースなど、豊富なレース経験を持つ。2010年は 【Tras & G-TRIBE + 8810R】 チームによる、S1000RR鈴鹿8耐への挑戦にライダーとして参加。2011年は S1000RR を駆り 、【Team Tras】 の第1ライダーとして鈴鹿8耐に参戦。15位獲得に貢献した。

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