VIRGIN BMW | 第2回 シリンダーヘッド R1200GS編

第2回 シリンダーヘッド

  • 掲載日/2013年07月08日【R1200GS編】
  • 執筆/モトラッド阪神 田中 建次
    このコンテンツは BMW BIKES Vol.63 (発行:2013.06.15) 「ディーラーメカが解説する R 1200 GS テクニカルディテール」掲載の記事を引用しています。

R1200GS編分解レポートの画像

満を持して登場した完全新設計の新型 R 1200 GS。登場するや否や、世界中のライダー達に賞賛を以って迎えられたが、プロメカニックの目にはどう映ったのだろう。今回も詳細に解説する。

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シリンダーヘッドカバーを開けてみる。DOHC 4バルブという型式は旧型と同じだが、そのレイアウトは完全に異なる。
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上が吸気カムシャフト、下が排気カムシャフト。スパークプラグはシングルで燃焼室中央に配置。
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カムシャフト横まで伸びたカムチェーン。BMW は伝統的にサイレントチェーンではなく、普通のチェーンを使う。各カムシャフトは最終的にカムスプロケットと同軸のギアを介して駆動する。
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シリンダー最下部(地面側)には硬質ゴムのプレートが挿し込まれる。このプレートは転倒等でヘッドカバーが壊れても、内部へのダメージを最小限に留めるバンプラバーとしての役目を持つ。
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カムシャフトは小さなロッカーアームを介してバルブを押す S 1000 RR と同じ構造。同じツインカムでもF系やK系エンジンとは異なる。ロッカーアームがなければ、エンジン幅を数ミリでも狭めることができるだろうが、その場合カムがバルブを斜めに押さないためのリフターが必要になるし、リフターがスライドするガイドを作れば、シリンダーヘッドが大きく重くなってしまう。
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新たに遠心力式のオートデコンプを採用した。クランキング時の遅いスピードでは、排気カムシャフトに設置された小さなウェイトがロッカーアームを押して、燃焼室の圧縮を抜く。
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エンジンがかかるとウェイトが遠心力で開き、デコンプ機能は停止する。
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この小さな突起でロッカーアームを押し、わずかにバルブを開く仕組み。シングルのFシリーズや G 650系エンジンでも採用しているシステム。
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非常に軽量なアルミ製ロッカーアームには特殊な強化加工がされた。
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ロッカーアームを持ち上げたところ。バルブスプリング・リテーナーに直接シムが乗っている。
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バルブクリアランスは冷間測定で、インテーク:0.10~0.17mm、エキゾースト:0.34~0.41mm。クリアランス調整はシムの交換によって行う。
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取り外したシリンダーヘッド。水平対向エンジンなのでここまでの作業手順は非常にシンプル。
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シリンダーヘッドを裏返すとこんな感じ。
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燃焼室いっぱいに配置された4本のバルブ。向かって上側が吸気バルブ、下側が排気バルブである。ツインプラグに代わってシングルプラグが採用されたのは、吸気系の新型エアフローにより、燃焼室内の気流や温度が改善されたことによる。
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アルミシリンダーの内壁には、すでに四輪の BMW エンジンで採用している LDS コーティング(Lichtbogendrahtspritzen:アーク溶射により極薄皮膜を形成する技術)が施されている。
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非常に浅い冷却水通路が見える。ここから下は走行風冷却で充分という考え方。
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上下長が短いアルミ鍛造ピストン。ピストントップは燃焼室ぎりぎりまで盛り上がり、12.5 という超高圧縮比を実現している。
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ピストントップは微妙に湾曲した独特の形状。K 1600 ではピストントップが完全な平面かと思えば、F系では凹んでいたりと、各車のピストンは、同じメーカーとは思えないほどバラエティに富んでいるところが面白い。

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